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電子部品世界出荷は過去最高も…今後は前年割れが続く可能性の理由

電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した日本メーカーによる2022年の電子部品世界出荷額は、前年比4%増の4兆4575億円だった。統計開始以来で過去最高を更新したが、為替の円安による押し上げ効果が大きく、ドル換算では一転、前年割れとなる。中華系スマートフォンの販売減や、ガソリン車の伸び悩みなどが影響した。足元では円安効果もはく落しつつあるため、23年は前半を中心に前年同月割れが続く可能性がある。

スマホ内蔵カメラの手ぶれを防止したりピントを自動で合わせたりするアクチュエーターは前年比27%増の4052億円。一方、自動車やスマホなど幅広く使われ、電子部品の中で最も出荷額が大きいコンデンサーは同5%減の1兆5150億円。コンデンサーと組み合わせて使用するインダクターも同横ばいの3116億円にとどまった。

中華系スマホやパソコン販売の落ち込みを背景に、電子部品の実需は22年前半から失速。後半になるとガソリン車やデータセンター(DC)などインフラ分野にも需要不振が広がった。中華系スマホメーカーが積み増していた部品在庫の調整に動いた結果、電子部品メーカーへの引き合いは実需以上に減少した。

為替の円安が円換算での売上高を押し上げ、アクチュエーターの出荷額は前年比プラスを確保した。ただ中華系スマホやガソリン車にも多用するコンデンサーは22年後半の需要の落ち込みを補い切れなかったとみられる。

アクチュエーターも単月では22年11月から前年割れに転じており、23年前半の電子部品出荷は前年比マイナスになる可能性もある。


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日刊工業新聞 2023年03月01日

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