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日本電産がESG強化へ構想する戦略

日本電産ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みを強化する。事業活動で排出される温室効果ガス(GHG)の削減に向け、再生可能エネルギー導入手法の地域別での検討を開始。車載事業などの製品を通じた二酸化炭素(CO2)削減と合わせて、2040年度のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)を目指す。

事業活動での取り組みとして、長期に固定価格で電力購入契約を結ぶコーポレートPPA(電力販売契約)の活用に向け具体的な検討に入った。石橋健作環境統括部長は「現在、戦略を詰めている。まず(再生エネ導入の)プレッシャーが強い欧州から、地域の特性に合わせてコーポレートPPAを導入する」と方針を示す。

製品では、車載事業でエンジンから電気自動車(EV)駆動用装置「イーアクスル」への置き換えを進めてCO2削減につなげる。20―25年度累計の削減量は、従来目標比約2%増の1200万トンに達する見通しとなった。

一方、取締役会に多様性を持たせるため、計6人の社外取締役のうち、女性役員を昨年度比3人増の5人に増員。取締役会での男女比率が均等になった。小部博志社長兼最高執行責任者(COO)は「(社外取締役には)幅広い経験を持つ弁護士や大学教授、女性の方にもお願いしている。場合によっては全員女性になることもあり得る」と話す。

日刊工業新聞 2023年03月01日

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