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リチウム空気電池の負極劣化、物材機構などが特定した原因

リチウム空気電池の負極劣化、物材機構などが特定した原因

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物質・材料研究機構(NIMS)の松田翔一主任研究員と小野愛生NIMSポスドク研究員、魚崎浩平フェローらは31日、ソフトバンクやオハラと共同で、リチウム空気電池の劣化機構を特定したと発表した。正極で生じる水などが負極の金属リチウムを劣化させていた。保護膜を形成すると劣化を抑えられた。リチウム空気電池の重量エネルギー密度はリチウムイオン電池(LiB)の2倍以上になると期待される。

リチウム空気電池は多孔性カーボンを正極に、金属リチウムを負極に利用する。電池セル内部のガスを分析すると正極で溶媒が分解するなどし、水と二酸化炭素が発生していた。これが負極で反応し劣化させる。

そこで正極と負極の間に保護膜として固体電解質を挿入した。すると負極の劣化を大幅に抑えられた。水などの移行を防げたと考えられる。保護膜の厚みなどを改良すると、重量エネルギー密度は1キログラム当たり400ワット時で20回以上の充放電反応ができた。従来は充放電の寿命は10回以下だった。

日刊工業新聞 2023年02月01日

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