カネカが「mRNA」生産能力を5倍に
カネカは、ベルギー子会社でメッセンジャーRNA(mRNA)の生産能力を現状比約5倍に拡大する。約20億円を投じて設備を新設、2023年末から順次稼働して早期のフル稼働を目指す。mRNAの需要が旺盛で、今後も遺伝子疾患やがん治療薬、感染症ワクチンなど向けに引き合いが増えると判断した。
ベルギーのカネカユーロジェンテック(KEGT、リエージュ州、写真)に、医薬品製造品質管理基準(GMP)準拠のmRNA製造設備を設ける。創薬企業によるバイオ医薬品の研究開発が活発化しており、mRNAは急速な世界の需要増加が見込まれる。
カネカはKEGTでバイオ医薬品の原薬となるプラスミドDNAやたんぱく質、オリゴ核酸などを生産する。mRNAは大腸菌などで鋳型となるプラスミドDNAを増幅し、鋳型DNAを精製・直線化した上で、転写合成して製造する。
日刊工業新聞 2023年01月20日