高齢者はコロナワクチン効果期間が短い、京大が解明
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の城憲秀助教や濵﨑洋子教授らは、新型コロナウイルスに対するメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン接種後の免疫応答を解析し、65歳以上の高齢者において抗体産生を促すヘルパーT細胞応答の立ち上がりが遅く、抗体産生などの収束が早いことを明らかにした。研究の応用で、高齢者や若年者それぞれの免疫特性に適したワクチン接種スケジュールの立案に役立つことが期待される。
新型コロナワクチンを接種した65歳以上の高齢者と65歳未満の成人計216人を対象に、ワクチン接種前や1回目接種から約2週間後などの条件で血液を採取。
ヘルパーT細胞応答の割合などを調べ、高齢者において立ち上がりの遅さと収束の早さを確認した。また同応答が弱いメカニズムの理由について、T細胞表面の分子「PD―1」が関与する可能性も示唆した。
成果は英科学誌ネイチャー・エイジングに掲載された。
日刊工業新聞 2023年01月16日