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車両開発にラリーの知見、ダイハツが進化させたいモノ

車両開発にラリーの知見、ダイハツが進化させたいモノ

ダイハツがSPKと実施する愛好家向けイベント「Dスポーツ&ダイハツチャレンジカップ」

ダイハツ工業が、車両開発にモータースポーツの知見を生かす活動を本格始動する。2022年、約14年ぶりの再参入を果たしており、23年はトヨタ自動車が行う初心者向けラリー大会に全戦参加を予定する。また主催するダイハツ車の愛好家向けイベントの実施回数を増やす。より高い性能を求められる過酷な環境で車を走らせ、独自の新設計思想「DNGA」の向上など、軽自動車でも基本性能の底上げを図る。

ダイハツは自動車用補修部品などの専門商社、SPKと協力してモータースポーツ活動を再開した。コーポレート統括本部の井出慶太統括部長は「テストコースだけでなく、使用条件が厳しい所で使うことで(車台などの共通化や性能向上を実現する)『DNGA』をさらに進化できる」と意義を説明する。

23年は「トヨタガズーレーシングラリーチャレンジ」の全戦参加のほか、全日本ラリー選手権や世界ラリー選手権(WRC)への参戦も検討する。現在DNGAを導入しているのは、ワゴン型軽乗用車「タント」など6車種。得たノウハウを新型車の設計などに盛り込んでいく。また「Dスポーツ&ダイハツチャレンジカップ」の開催を、22年の1回から23年は4回に増やす。

親会社のトヨタが実施するように、脱炭素化技術の実証の場とすることも視野に入れる。「今すぐ耐久レースへの参戦は難しいが、中期的には軽自動車の実験の場もあればいいのでは」(井出統括部長)。レースを通じて開発力を引き上げる構えだ。

日刊工業新聞 2022年11月28日

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