ニュースイッチ

トヨタは単月過去最高、自動車メーカー8社の生産台数実績に表れたモノ

乗用車メーカー8社がまとめた9月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比46・5%増の228万3576台だった。前年同月は世界的な半導体不足やコロナ禍で大幅に生産台数が落ち込んだため、その反動が表れた。生産は回復傾向にあるが半導体不足は継続しており、不透明な状況は続きそうだ。

9月の国内生産は全社が前年同月を上回った。ダイハツ工業SUBARU(スバル)が前年同月比約3倍増、トヨタ自動車が同約2倍増と大幅に伸び、8社合計は同79・3%増だった。前年同月に大幅に落ち込んだ反動に加えて「堅調な需要や政府施策の効果が影響した」(トヨタ)という。

トヨタの9月の世界生産台数は単体、日野自動車、ダイハツを含めたグループともに過去最高となった。生産最適化や半導体不足の影響を抑える施策の効果が表れた。

2022年度上期(4―9月)の世界生産台数は、前年同期比8・2%増の1176万1838台。コロナ禍前の19年の水準には及ばないが、21年上期に続き2期連続で前年を上回った。4―9月の世界生産はホンダのみ前年を下回った。半導体不足や新型コロナなどが影響し、3期連続で前年を割り込んだ。スバルは「生産調整の影響が昨年より小さかった」ため、24・5%増と大きく伸長した。

下期も半導体不足が足枷(あしかせ)となりそうだ。トヨタは21日、970万台としてきた23年3月期の世界生産見通しを引き下げると発表した。

日刊工業新聞 2022年10月31日

編集部のおすすめ