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3年で500億円投資、パナソニックがヒートポンプ式暖房機の増産で狙う需要

3年で500億円投資、パナソニックがヒートポンプ式暖房機の増産で狙う需要

クラウドを活用したA2W運転状況の遠隔監視(画面イメージ)

パナソニックは欧州で、化石燃料を用いた暖房機器に比べ二酸化炭素(CO2)排出量の少ないヒートポンプ式温水給湯暖房機「A2W」の増産、研究開発体制強化などに今後3年間で500億円を投じる。チェコ、マレーシア工場を合わせた生産能力を2020年台後半までに現状比約7倍の100万台にし、空調では欧州初のR&Dセンターの新設、エンジニア増員などにリソースを投下。脱炭素化で先を行く欧州で拡大する需要を取り込む。

A2Wは大気中の熱を集めて作った温水を循環させて暖房するシステム。欧州ではボイラでガスや石油を燃やす給湯・暖房からの置き換えが進む。パナはA2Wをチェコとマレーシアで年15万台生産しており、能力を大幅に引き上げる。

欧州全体で施工業者のトレーニングセンターやショールームを25年度に現状比1・5倍の50拠点以上に拡充し、マーケティングを強化。クラウドを活用した遠隔監視による保守ソリューション事業拡大や人員増強も進め、複合的に事業基盤を強化する。

ロシアによるウクライナ侵攻により天然ガスや石油価格が上昇していることや、欧州各国の補助金制度導入などにより、A2Wへの注目が高まっている。

日刊工業新聞2022年10月4日

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