オリンパス、科学事業を4000億円規模で売却へ
オリンパスが進める生物顕微鏡や工業用内視鏡などの科学事業の売却交渉が、米投資ファンドのベインキャピタルを軸に調整していることが23日、分かった。売却金額は3000億―4000億円規模と見られる。科学事業の売却により、主力とする内視鏡事業など医療分野に経営資源を集中し、事業の成長につなげる。オリンパスは「現時点で決まった事実はない」とした。
オリンパスは同事業の第三者への売却を視野に、4月に完全子会社のエビデント(東京都新宿区、斎藤吉毅社長)として分社化していた。オリンパスは重点領域である医療分野などでM&A(買収・合併)を積極的に進めており、科学事業の売却でさらに戦略的投資を加速させると見られる。
オリンパスは2021年1月にデジタルカメラなどの映像事業を売却しており、利益率の高い主力の内視鏡、治療機器にリソースを集中させる方針を示していた。
日刊工業新聞 2022年8月24日