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オリンパスが「ジョブ型」人事制度を国内全正社員に導入する狙い

オリンパスは人事制度を刷新する。2023年4月から、ジョブ型の人事制度を国内グループの全正社員と海外子会社の管理職を対象に導入する。19年4月に国内の管理職を対象に先行導入した同制度の対象を広げる。同社は利益率の高い企業を目指しており、人事制度面からも業務の生産性と成果を重視する経営体質への転換を進める。

「成果を上げた社員が報われる評価体系にする」。ジョブ型の人事制度を導入した背景について大月重人執行役員はこう強調する。海外子会社では既に導入していたが、制度内容や運用にばらつきがあった。新人事制度では評価制度、等級制度をともにグローバルで統一し、職責に応じた報酬水準に変更する。

新制度では年功によらず、職務内容と成果、行動をみる。パーパス(企業の存在意義)を実現するために定めたコアバリューを体現し、成果を上げた社員を評価する。職責の基準となる等級は、管理職で7等級、非管理職で5等級置く。

報酬制度は属人的な諸手当を統廃合し、職責を基準に賞与と基本給を設定。基本給は等級ごとに定める現行のシングルレートから、一つの等級内で幅を持たせ同じ等級でも基本給が異なるレンジレートに変える。年功以外の評価要素を基本給に反映しやすくする。

また、成果ではほとんど差がつかない賞与を、新制度では個人評価と業績を大きく反映する仕組みに変更する。「社員の仕事の成果に報いるメリハリのある賞与体系」(井川憲一HRプランニングディレクター)にするのが狙いだ。

現在、労働組合と労使交渉を進めており、22年4月頃の妥結を目指している。まず23年4月にオリンパス単体の全正社員約6000人を対象に新制度を導入する。その後、国内外の子会社に随時対象を広げていく方針。井川ディレクターは「社内にはジョブ型の人事制度について間違った認識を持っている社員もいる。引き続き制度の本質、内容をしっかり伝えていく」と話す。

日刊工業新聞2021年11月9日

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