コンクリ100%リサイクル、東大が新手法を開発
東京大学の酒井雄也准教授らは、コンクリートを100%リサイクルする手法を開発した。コンクリートがれきを粉砕した粉末を圧縮成形し、高圧水蒸気で処理すると強度が向上する。がれきをリサイクルでき、コンクリートの原料となるセメントを使用しないため二酸化炭素排出量の削減につながるという。
コンクリートの粉末を圧縮成形して180度Cの高圧水蒸気で処理する。するとリサイクルコンクリートの圧縮強度が約5倍になった。組成には変化がなく、大きな隙間が減っていた。緻密になり、強度が増したと考えられる。一般的なコンクリートの2倍の強度に当たる。
砂や砂利を用いたコンクリートのほか、鉄鋼スラグを用いたコンクリートでも有効だった。今後、大型化や鉄筋による補強効果、長期耐久性を検証する。リサイクルに当たって材料を追加せず、副産物を出さずにコンクリートがれきの再利用が可能になる。脱炭素につながる。
日刊工業新聞2022年8月12日