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新幹線の電柱交換で活躍、JR東日本が公開した「専用車両」の全容【動画あり】

新幹線の電柱交換で活躍、JR東日本が公開した「専用車両」の全容【動画あり】

新幹線の電柱交換用の車両

JR東日本は20日、新幹線の高架橋上の電柱交換に使う専用車両を田端保守基地(東京都北区)で報道関係者に公開した。これまで高架下にクレーン車を設置して電柱を交換していたが、機能を車両に集約したため、高架下の条件などに左右されず作業が可能になる。コンクリート製から鋼管製の電柱に交換して耐震性を高める工事に11月に投入する。

同社新幹線統括本部の恩田義行技術計画ユニットリーダーは、交換作業が「従来より1時間程度短縮でき、3時間半で終えられる」と説明する。さらにクレーン車を設置する場合、道路の占有許可などの手続きが必要だったが、専用車両を使うため、それらの事前準備も不要になる。

専用車両は1編成4両。高所作業車、電力供給の銅線(トロリ線)などを支持する金具を仮受けする装柱作業車、クレーンを使い電柱を抜いたり入れたりする電柱建植車、電柱運搬車で構成する。車両は新潟トランシス(新潟県聖籠町)製。

JR東は東日本大震災や3月の福島沖地震などを教訓に各種地震対策を進めており、同社によると3月までに約2250本の新幹線高架橋上の電柱の耐震化が終わっている。

今後、2027年度中までに鋼管製への交換を含む約4000本の電柱の耐震化を計画しており、作業効率の向上が求められていた。追加で電柱交換用の専用車両を3編成発注して4編成体制とすることを計画しており、地震対策を急ぐ。

日刊工業新聞 2022年7月21日

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