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鉄鋼構造物の曲面に吸着して走行できる、住重が開発したロボ機構がスゴい

住友重機械工業は船舶、プラント、風力発電設備など大型の鉄鋼構造物の曲面に吸着して走行できる新型ロボット機構(写真)を開発した。従来のロボットが平面上しか走行できないのに対し、回転可能な磁石内蔵の中空の球状車輪を採用し、曲面の壁などを走行できる。人間では対応が難しい曲面の溶接や保守点検に活用できると見込む。鉄鋼構造物の製造・保守での需要を調べ、製品投入の時期を探る。

社内の公募制度により開発した。自社も鉄鋼構造物を手がけており、社内試験で実用性を確認した。

溶接機器を搭載して走行させることで、既存の自動溶接ロボットでは対応できず、人間では作業の姿勢が悪くなる曲面での溶接を自動化できるとみる。

保守点検では、風力発電の風車など人間では立ち入るのが難しい鉄鋼構造物に対応できる。カメラやセンサーを搭載して風車の基礎部分を走行させ、老朽化などの状況を点検するといった用途を想定している。

日刊工業新聞2022年8月12日

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