「電動ショベル」商品化目指す住友建機、社長が指摘する課題
住友建機は幕張メッセ(千葉市美浜区)で27日まで開かれていた「建設・測量生産性向上展」に電動ショベルを参考出品した(写真)。7・5トンクラスの「SH75」がベースで、香取工場(千葉県東庄町)内の試験場で各種テストを実施し、2024年度の商品化を目指す。
電動ショベルはコマツ、日立建機などの大手が環境規制を背景に開発に取り組んでおり、マイクロショベルやミニショベルの実商品も登場している。住友建機はデモ機の展示を通じ、電動ショベル開発に取り組む姿勢を内外にアピールする。
現状、電動ショベルはリチウムイオン電池の価格が高いため本体価格も従来型ショベルの3―4倍にはね上がり、稼働時間も数時間しかないなどの問題がある。住友建機の数見保暢社長は「屋外の現場で働けるようにするには、少なくとも8時間以上の稼働時間を確保できないとユーザーに受け入れられない」と指摘する。
価格と性能の関係から、リチウムイオン電池以外にも燃料電池や水素エンジンなど複数の手段の研究が進む。住友建機は7・5トン以上のショベルが主力商品で、数十トンクラスでは燃料電池や水素エンジンも有望とみている。研究では親会社の住友重機械工業の知見なども生かす方針だ。
日刊工業新聞2022年5月27日