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宇宙ビジネス、道内で54社参入!北海道経産局の初調査で明らかになった実態

課題に「技術力向上」「設備投資」
宇宙ビジネス、道内で54社参入!北海道経産局の初調査で明らかになった実態

北海道スペースポート(HOSPO)の垂直ロケット発射台の完成予想図。23年度に完成予定(SPACE COTAN提供)

北海道経済産業局は、道内の宇宙関連産業の実態調査をまとめた。「すでに参入している」あるいは「これから参入する」と答えた企業は54社に上り、今後の課題は「技術力向上」「設備投資」をクローズアップしていることが分かった。北海道経産局では今回の調査結果をベースに、2022年度は道内企業のマッチングなどを進める。

調査は製造、情報通信、サービス分野などの企業や大学などの研究機関が対象。すでに宇宙ビジネスへ参入した企業は25社で、衛星データ利用が13社、ロケット開発が10社、衛星開発が2社だった。今後の方針については「積極的に取り組む」が15社と、「ニーズに合わせて取り組む」6社、「現状維持」4社を大きく上回った。

参入のきっかけは「取引先の紹介」がトップで、「行政・研究機関の紹介」「メーカーからの問い合わせ」が続く。所有する製品や技術は「衛星データサービス」「各種ソフトウエア」「ロケット部品」が挙げられた。

今後の課題や支援施策については「技術力向上」「設備投資」が上位を占め、「情報収集」「マッチング」「人材育成」が続く。「受注見通し」といった新産業ならではの課題も登場した。

北海道経産局では、今後注目すべき宇宙ビジネス分野として「衛星データ利用」をピックアップし、衛星データ利用促進に向けたソリューション開発の実証実験などを進める計画だ。

北海道は十勝管内大樹町でロケット射場や宇宙機滑走路を整備する「北海道スペースポート(HOSPO)」計画が進んでいる。これを受けて、世界各国の関連企業から現地の視察や打診などが相次いでいる。

日刊工業新聞2022年7月8日

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