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オザワ科学などが開発、熱電3物性を同時に計測できる装置の効果

オザワ科学(名古屋市瑞穂区、小沢大地社長)と名古屋大学の長野方星教授、産業技術総合研究所の申ウソク副研究部門長らは、熱電変換材料の電気抵抗率などの三つの物性を同時に測る計測装置を開発した。同一材料を同時計測できるため、試料や計測などのバラつきを抑えられる。熱電変換材料は捨てられている熱源を電力に変える。開発の効率化で脱炭素化に貢献していく。

試料の片側から加熱して熱の流れを作り、1列に並んだ4本の計測探針で物性を測定する。入熱量を周期的に変化させることで熱が伝搬する波を計測して熱拡散率を求める。さらに温度勾配と起電力からゼーベック係数、探針に電流を流して電気抵抗率を求める。

3物性を一つの試料の同じ測定点で計測できるため正しい値が求まる。対応温度は室温から900度C。従来は物性ごとに計測器が変わり、バラつきがあった。開発に当たり経済産業省の戦略的基盤技術高度化支援事業の支援を受けた。

日刊工業新聞2022年6月2日

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