「ローカル5G」で実現するリモートワーク支援サービスの姿
インテック(富山市、北岡隆之社長)は、第5世代通信(5G)を地域限定で利用できる「ローカル5G」などのマルチワイヤレス技術を活用し、顧客の課題解決を目指す「ワイヤレスDX」ソリューションを展開する。オフィスや行政、医療などの八つの産業分野をターゲットに、順次ソリューションを拡充させる。11月には第1弾として、新常態の働き方を実現するサービスを開始。リモートワークの導入、活用までを一括支援する。
「ワークスタイル変革支援サービス」は顧客へのヒアリングをもとに、三つのメニューから最適なサービスを提案する。顧客企業のリモートワークの現状分析から課題を可視化し、目指す姿までのロードマップ(工程表)を作成する「リモートワーク診断サービス」のほか、インターネットアクセスの通信量急増などの解決を図る「リモートワーク課題解決ソリューション」を展開する。
今里直人専務執行役員は「新常態ではオンライン/オフラインを融合したハイブリッドな働き方が広がる」とみる。その上で「高画質ビデオでの会議や、eラーニングの利用による大容量通信を想定し、ローカル5Gの活用が必要になる」と話す。2022年2月には富山県高岡市の事業所内にスタンドアローン(単体)方式のサブ6帯(6ギガヘルツ未満=ギガは10億)基地局を設置し、ローカル5Gの活用検証を進める。
新型コロナウイルス感染拡大で急遽リモートワークを導入したものの、業務プロセスや社内制度などの対応が不十分な企業も多い。そこでインテックはアバナード(東京都港区)と協業し、企業が抱える課題解決に向けたコンサルティングサービスの提供も始めた。「企業の生産性向上を伴走型で実現していく」(今里専務執行役員)構えだ。
今後「ワイヤレスDX」ソリューションでは、遠隔地への運用保守業務をアバター(分身)ロボットで実施できるサービスや、自治体向けのIoT(モノのインターネット)プラットフォーム(基盤)サービスなどを追加提供予定。5Gが持つ大容量、同時多接続、低遅延の特徴を生かしたソリューションを自社内のラボで検証し、顧客に提案していく。
今里専務執行役員は「インテックが長年にわたり培ってきた得意領域と、ネットワークを一気通貫で提供できる強みを生かす」と意気込む。「ワイヤレスDX」ソリューションとして「2025年3月までに30億円の売り上げを目指す」(今里専務執行役員)方針だ。(狐塚真子)(水曜日に掲載)