日本電産が米国市場向け空調用モーター増産、20億円投資に踏み切る理由
日本電産はメキシコにある三つの生産拠点に1800万ドル(約20億円)を投じ、可変速HVAC(暖房・換気・空調)モーターの年産能力を現状より150万台分引き上げる。米国市場向けの2ブランドを増産する。米国エネルギー省はHVACシステムのエネルギー効率規制を発行し、2019年から段階的に規制を強化中。23年にさらなる規制強化が見込まれ、同社の高効率モーターの需要が高まると判断、投資に踏み切る。
能力拡張を行うのはグループ傘下のニデック・グローバル・アプライアンス・コンプレッサー・ブラジル(GA、ブラジル・ジョインビレ=写真)。
現在の生産能力は明らかにしていないが、GAのメキシコ3拠点に増産設備を導入し、可変速HVACモーターブランド「US MOTORS」と「RESCUE」を、それぞれ複数の品目で増産する。主に北米の住宅向けや商用HVACシステム向けを想定する。
これに合わせ、GAの中国・青島市の生産拠点で、モーターを駆動するためのコントローラーも増産する方針だ。
HVACは屋内の空気を循環させ、冷暖房と空調を一括コントロールするシステム。省エネルギー規制の厳格化に伴い、同システムに用いるエネルギー効率の高いモーターの需要拡大が進むとみて、GAの高効率な可変速モーターの供給体制を整えて需要を取り込む方針だ。
日刊工業新聞2022年1月7日