受注マイナスの住宅メーカー主要5社、一段の落ち込みを警戒する理由

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一戸建て住宅の受注が鈍ってきた。主要住宅メーカー7社の9月の受注は、5社が前年同月比マイナスとなり、プラスの企業が5社だった8月と比べ、鈍化が目立った。2020年春に実施された1回目の緊急事態宣言からの反動増がなくなりつつある。住宅ローン減税が9月末に切れ、グリーン住宅ポイント制度の申請期限も10月末に終了する中、住宅各社は一段の落ち込みを警戒する。(大城麻木乃)

9月の受注は7社のうち、積水ハウスと旭化成ホームズを除く5社がマイナスだった。積水ハウスは、空気浄化システム「スマートイクス」やゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に対応した住宅が伸び、戸当たり単価が上昇。金額ベースの受注が好調でプラスを維持した。旭化成ホームズはコロナ禍で広い住宅を求める顧客が増え、「戸当たりの延べ床面積が増えて単価・受注金額が上がった」(広報)。同社は都心の販売が強く、20年は新型コロナウイルス感染症が東京や大阪など都心を中心に広がったことで、同業他社よりも落ち込みが激しかった反動も出た。

一方、受注がマイナスの企業の中では、住友林業が7月以降、3カ月連続で前年割れが続く。同社は1回目の緊急事態宣言明けに受注の戻りが早く、旭化成とは逆に、前年が良かった反動減が響く。大和ハウス工業と積水化学工業、三井ホームは9月から前年割れに転じた。三井ホームは「直近3カ月のモデルハウス来場が前年割れ」(同)とし、モデルハウスの動向は住宅受注の先行指標となるだけに、先行きを懸念する。

今後、心配されるのは住宅ローン減税など住宅購入促進策の期限切れだ。今のところ「駆け込み需要が少なかったので、反動減も少ないだろう」(みずほ証券の橋本嘉寛シニアアナリスト)として影響は軽微との見方があるものの、消費者の住宅購入意欲を下支えしてきたことは確かだ。選挙の季節となり、ローン減税に代わる住宅購入促進策の議論が停滞する中、住宅各社は減税措置の期限切れなどが消費者心理に水を差さないか気をもんでいる。

日刊工業新聞2021年10月26日

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