「酒類提供禁止」でマイナス続くビール販売、拡大する代替需要とは?
ビール大手4社が発表した7月のビール類(ビール、発泡酒、第三のビール)の販売動向は、合計販売数量が前年同月比1%減と3カ月連続のマイナスとなった。新型コロナウイルス感染拡大による東京への緊急事態宣言で、飲食店での酒類提供禁止が影響しているものの、東京五輪開幕による巣ごもり需要などで微減にとどまった。また、ノンアルコールビールテイスト飲料が同32%増と大幅に伸びており、酒類の代替として需要が拡大しているとみられる。
ビール類の各社別の増減はキリンビールが同1%増、サッポロビールが同4%減、サントリービールが同2%減。販売金額ベースのアサヒビールは同1%減だった。
ビールカテゴリーは市場全体では同4%増と、2カ月ぶりにプラスに転じた。キリンが同15%増、サッポロが同5%減、サントリーが同6%増。アサヒは主力の「スーパードライ」が同1%増となった。
第三のビールカテゴリーは市場全体が同7%減となり、酒税法改正以降、10カ月連続でマイナスが続いている。各社別ではキリンが同9%減、サッポロが同4%減、サントリーが同5%減。アサヒは主力の「クリアアサヒ」が同10%減となった。
日刊工業新聞2021年8月12日