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コロナを99%不活化する!、光触媒式抗ウイルス・抗菌塗料の実力

日本ペイントなど確認

日本ペイントホールディングス(HD)と東京大学は、日ペHDの光触媒式抗ウイルス・抗菌塗料が、新型コロナウイルスの従来株と変異株(N501Y変異を含むアルファ株)を99%不活化する効果を確認したと発表した。

ヒトの培養細胞にウイルスを感染させ蛍光灯を照射する実験で、塗料製品別にウイルス不活化率が99・19―99・98%になると確かめた。温度や湿度、ヒトの皮脂や汚れなど異なる条件下で実験を繰り返し、信頼性も高めたとしている。

実験は2020年11月―21年3月に従来株、4―6月にアルファ株で、ウイルス不活化を調べる一般的な実験で実施。塗料と接触させたウイルスに1000ルクス照射し、不活化率を算出すると、15分後に約80%、3時間後に99%台に達した。

日本で主に従来株から置き換わりつつあるアルファ株も、従来株と同じ結果を得られた。

同社は東大と20年5月に連携協定を結び、光触媒による抗ウイルス・抗菌技術の共同研究を進めている。同年9月から同技術による住宅用塗料を順次発売し、売上高は前年同月比で約3倍に拡大。12日には光触媒の抗ウイルス・抗菌スプレーの販売も始めた。

東大との連携には25年までに10億円投じる予定。15日には新たな抗ウイルス性ナノ(ナノは10億分の1)光触媒を共同開発した成果も発表した。

今回の実験による裏付けで信頼や技術力を訴求し、社会的課題のコロナ対策や成熟する国内塗料市場の需要創出を図る。

日刊工業新聞2021年7月16日

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