JDIが経営再建へ一手。台湾EMS大手に液晶後工程工場を売却
ジャパンディスプレイ(JDI)は、台湾電子機器製造受託サービス(EMS)大手の緯創資通(ウィストロン)グループに台湾・高雄市の液晶パネル後工程工場を売却する。売却額は80億円で、2021年内に手続きを完了する予定。業績低迷の続くJDIはアセットライト化(資産圧縮)と固定費削減を図り、経営再建につなげる。
JDIは同日、車載・産業機器用液晶パネルの後工程を手がける台湾孫会社の全株式をウィストロングループへ売却することで基本合意した。今後は8―9月に株式譲渡契約を結び、9―12月に譲渡を実行する予定。孫会社の産業機器向け設計・販売事業はJDI側に移管する。
JDIにとって、ウィストロンはもともとスマートフォン用液晶パネルの後工程を長年委託する関係だった。工場売却による関係強化により、今後はウィストロンのコスト競争力や中国での事業基盤を生かし、車載用などの拡販を狙う。
日刊工業新聞2021年7月9日