企業の設備投資や輸出に持ち直しも個人消費は低迷
政府は6月の月例経済報告で、足元の景気について「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」とし、前月の基調判断を維持した。新型コロナウイルス感染症の影響により、依然としてサービスの個人消費が低迷しているためだ。企業の設備投資や輸出は持ち直しの動きが続いている。
海外経済の回復を背景に、輸出は「緩やかな増加が続いている」とした。自動車関連は半導体不足の影響で横ばいだが、情報関連財などがけん引する。製造業の生産は、第5世代通信(5G)関連で電子部品・デバイスや生産用機械を中心に持ち直している。
国内企業物価は、石油・石炭製品や銅など非鉄金属の価格上昇を受け、「上昇している」と表現を変更した。設備投資は、機械を中心に増加が続く。
住宅建設は「底堅い動きとなっている」とし、5カ月ぶりに上方修正した。賃貸マンションの着工が増えているのが主な理由で、都市部の駅前などで増えているという。
日本経済の先行きは、「持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染の動向が内外経済に与える影響に十分注意する必要がある」とした。
日刊工業新聞2021年6月25日