少量の血液でアルツハイマーを判定!島津が世界初のシステム
島津製作所は、少量の血液からアルツハイマー型認知症の原因とみられるたんぱく質「アミロイドβ」が測定でき、同疾患の検査に使える世界初の医療機器「血中アミロイドペプチド測定システム」を発売した。消費税抜きの価格は1億円。販売目標は非公表。並行して8月にも同社の受託分析子会社で同システムを用いた受託解析サービスを、医療機関、製薬企業などへ展開する計画。
同疾患は症状が現れる前から同たんぱく質が脳内にたまり始める。新製品は血液数滴(約0・5ミリリットル)に含まれる同たんぱく質を質量分析技術で測定。算出されるバイオマーカーは脳内のアミロイド蓄積と相関するため、少ない患者負担で高い分析結果が得られる。
認知症の約7割はアルツハイマー型。早期発見・対応が重要だが、以前からの陽電子放射断層撮影(PET)検査や脳脊髄液検査は高価。田中耕一エグゼクティブ・リサーチフェローの2002年のノーベル化学賞受賞につながった分析法が新製品に寄与しており、田中氏は「改良を重ね、世界的な認知症の課題に貢献したい」と力を込めた。
日刊工業新聞2021年6月23日