電力会社に依存しない、「ソーラーカーポートEV充電ステーション」商用化へ
ニプロン(兵庫県尼崎市、酒井節雄社長)は、太陽光発電で電気自動車(EV)や蓄電システムを充電するシステム「ソーラーカーポートEV充電ステーション」の開発を進める。同社の太陽光発電自家消費システム「PV Oasis(オアシス)」がベースで、2020年11月から本社・夢工場内で技術実証を繰り返しており、その結果を基に21年内の商品化を目指す。
PV Oasisは太陽光発電、蓄電池、充電器を直流接続し、商用系統に依存しない非連系の太陽光発電自家消費システム。同ステーションはこれにソーラーカーポートとEV充電器を組み合わせたもので、屋根に太陽光パネルを設置したカーポートと、蓄電池や充放電コンバーター、整流器を内蔵したコンテナ、EV充電器で構成。発電から蓄電、充電まで直流電力で行う。EVを充電し電力が余る場合、余剰電力は蓄電池に蓄え、悪天候や夜間などは蓄電池の電力を利用する仕組み。
電力会社などの商用系統に依存せず、停電が起こっても影響を受けないが、天候の関係や発電量以上に充電が必要な場合は、交流の商用系統から直流に変換して補充電も可能。50キロワット未満の受電容量で急速充電に対応するためキュービクルの設置や電気主任技術者選任の必要がない。災害発生時には給電所や避難所など防災拠点として活用も見込め、事業継続計画(BCP)にも有効になる。
技術実証は14台駐車が可能なカーポートを設け、屋根には325ワットの太陽光パネル100枚を設置、蓄電池容量は126キロワット時、EV充電器4台で進めているが、今後、蓄電池容量やコンテナサイズなどを含め、ステーションの最適化・標準化を図っていく。商品化後はタクシー会社やカーリース、レンタカーなど保有する車両台数が多い分野のほか、郊外の道の駅や大型商業施設などに拡販する考えだ。