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SNS発「ペア読書」はオンライン化で拡大する

オンラインイベント Ready go #02大日本印刷
SNS発「ペア読書」はオンライン化で拡大する

オンライン上で開催したペア読書会

制限時間内に本を読み、読後の感想や意見をその場で語り合う「ペア読書」が会員制交流サイト(SNS)を通じて静かなブームとなっている。ペア読書会を企画してきた大日本印刷のhonto(ホント)ビジネスセンターでは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて読書会をオンラインで開催。イベントの活性化や裾野の拡大に役立てている。

同センターが企画するペア読書会では、全員が同じ本を30分間読み、読後は感想や意見を交えたり内容に関連したワークショップをしたりする。若い世代を中心に読書や読書会をより身近に感じてもらうための取り組みで、20―30代の社会人を中心に毎回30、40人が参加している。

1月以降、読書会をオンライン化した。ホントビジネスセンターに所属する松原嘉哉氏は「オンライン化は当初から考えていたが感染拡大がきっかけになった」と語る。ウェブ会議システムを活用して読後の対話や著者への質問を実施。「画面に互いの顔が映るため、オフラインよりも相手との心理的な距離の近さを感じられる。地方在住でも参加しやすいことも利点だ」(松原氏)。

イベントの大規模化もしやすいという。従来では場所の確保や質の問題から大人数の開催は難しかった。5月末の読書会では約300人が参加。大人数に対応するため参加方法をフル参加と視聴枠に分けた。今後も模索しながら、さらなる大規模化や若年層の取り込みを目指す。

従来形式も例えば発売前のゲラを使用するなど、オンライン上ではできない取り組みで内容の多様化を図る方針だ。

2019年の出版市場は紙媒体の縮小を電子書籍の拡大が補い、前年比0・2%増だった(全国出版協会・出版科学研究所調べ)。新型コロナ感染症拡大以降、大日印では通販や電子書籍を中心に「正月並みに本が売れている」(松原氏)。市場の縮小にブレーキがかかっている今、読書需要を一過性で終わらせない工夫の重要性は以前よりも増していると言える。

【連載・オンラインイベント Ready go】

7月13日 #01凸版印刷

7月14日 #02大日本印刷

7月15日 #03カエッタラ

7月16日 #04ピクシブ

7月17日 #05JAL/キリンビバレッジ

7月18日 #06NTTデータ

日刊工業新聞2020年7月7日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
大日本印刷は本の企画から流通、販売、断裁までの一連を管理する「ブック・ライフ・マネジメント(BLM)」を提唱してデータ活用による物流の最適化や効率化を進めていますが、リアルとオンラインそれぞれに適した施策を考えられることも、本のあらゆる過程に関わっている同社ならではの強みだと思います。感染拡大が収束した後、オフラインイベントを企画する企業がその空間にどのような価値を見出すのか気になります。

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オンラインイベント Ready go
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新型コロナウイルス感染症の拡大でイベントのオンライン化が活発だが、開催方法の変更は企画に応じて向き・不向きがあります。主催者はなぜオンラインでの開催に踏み切ったのか、各社の狙いに注目し、紹介します。

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