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テーマは“栃木県”!オンライン飲みで広がる「関係人口」の入り口

オンラインイベント Ready go #03カエッタラ
テーマは“栃木県”!オンライン飲みで広がる「関係人口」の入り口

ウェブ会議システムを通じて集まる

2017年に設立したベンチャー企業のカエッタラ(東京都文京区)は、栃木県出身者やU・Iターンなどに関心を持つ人、栃木県内の市町の自治体職員が集まって交流や情報交換をする「栃木ゆかりのみ」を主催している。フランクな飲み会で地方移住や地域活性化のきっかけ作りに取り組んできたが、新型コロナウイルス感染症の拡大で開催形式の変更を余儀なくされた。

5月以降、毎回1地域に焦点を当てた交流会「栃木ゆかりのみオンライン」を始めた。現地の自治体職員や在住者、県外で生活している出身者や当該地域に関心を持つ人がウェブ会議システムを通じて集まった。参加者は1回10人前後。50人近く集まる従来形式と比べると小規模だが、開催頻度は数カ月に1度から週3回程度へと大幅にペースアップした。

永井彩華代表は「オンライン化で本質的な部分に集中しやすくなった」と語る。栃木ゆかりのみは、移住促進や地域貢献にもつながる「関係人口」を創出する入り口の一つでもある。オンライン化以降、コロナ禍を機に地方回帰や新たな働き方に関心を持つビジネスマンの参加が増加。自治体職員側も地域情報の発信に一層力が入っているという。

永井代表は「コロナ禍で働き方について考える機会が増え、今までとは異なる層も地方や移住に関心を抱き始めた」と分析する。地方にとってはうれしい話だが、いまだに現地に赴かなければ有効な情報を入手できないなど課題は多い。ウェブ会議システムを活用したオンライン文化が急速に浸透する中で「自治体が進める移住政策や地域振興にとって、今回の企画が“オンライン耐性”をつける契機になればと思う」(同)。

イベントのオンライン化の効果は、今まで難しかった遠方や海外からの参加者との交流や、栃木県内の全25市町と関わりを持つ機会などももたらした。自治体の移住政策に関する企画の交渉も進んでおり、活動拡大の励みになっている。

【連載・オンラインイベント Ready go】

7月13日 #01凸版印刷
7月14日 #02大日本印刷

7月15日 #03カエッタラ

7月16日 #04ピクシブ

7月17日 #05JAL/キリンビバレッジ

7月18日 #06NTTデータ

日刊工業新聞2020年7月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
栃木ゆかりのみオンラインの参加者の中にはロサンゼルスからの参加もあったとのこと。距離を気にせず集まれる点はやはり大きな強みです。一方で、その地域にいなければ分からない情報がいまだに多いことも事実。オンライン飲み会が人と地方をつなぐ架け橋の一つに新たに加わった意義は大きいと思います。

特集・連載情報

オンラインイベント Ready go
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新型コロナウイルス感染症の拡大でイベントのオンライン化が活発だが、開催方法の変更は企画に応じて向き・不向きがあります。主催者はなぜオンラインでの開催に踏み切ったのか、各社の狙いに注目し、紹介します。

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