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「T」だけであらず、ファミマのマルチポイントは後発者の利得

ユニー・ファミリーマートHD・高柳浩二社長に聞く「煩雑とはむしろ逆」
 ―2019年はどこに注力しますか。
 「今年は営業を強化する。商品強化はもちろん、同時にサービス強化に力を入れたい。象徴的なのがアプリを使った決済のファミペイ。これを使った新しいサービス、金融、ポイント回りから集客につなげたい」

 ―今、ファミマで使えるのはTポイントのみです。
 「他のポイントも入れた、マルチ化を考えている。他社のポイントも使える、付くに変えていく。店舗で他のポイントによる支払いも可能になれば、より便利になる」

 ―複数になると煩雑になりませんか。
 「そんなことはない。私の財布の中にも複数のポイントカードがある。手に触ったものを出して使えるのが一番良い。煩雑とはむしろ逆。まさにコンビニになるということだ」

 ―ポイントは集客効果もあるが、顧客データ分析が重要な役割を果たします。
 「ファミペイを使ってもらうと、まず一定程度のデータが取れるようになる。ゲートウェイだ。ファミマ独自のポイントも多分やることになると思うが、それを使ってもらうと、もうちょっと違うデータが取れる。いずれにせよファミペイは通過口、関所だ」

 「顧客は全体的に高齢化し、むしろ若年層が少ない。若年層に来てもらうには、一つは商品。食品は工夫されているが日用雑貨は特徴的なものがない。例えば若い人が好む化粧品があれば、来店するかもしれない。日用雑貨などはまだまだ改善の余地がある」

 ―セブンとの日販の差(約10万円)をどう詰めていきますか。
 「例えば商品もおいしくないとダメだし、欠品を減らすなど一つひとつ丁寧にやっていくしかない。セブンさんとの差が開かないように地道に10円でも縮めていきたい」

 ―パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(旧ドンキホーテホールディングス)株については。
 「継続して買ってるとも買ってないとも言えない。慌ててばたばたとやるつもりはなく、一息入れて、次を考えるという状況。リターンも考慮しないといけないし、経済情勢も見ながら考えていく」

【記者の目】
高柳浩二社長は、マルチポイント化にこだわりを見せる。自社ポイントを持っていなかったからこそオープン化できると言い「後発者利得」と言い切る。今後、ポイントの利用者増加は間違いない。セブンのナナコ、ローソンのポンタとの競合の中、マルチポイントの利便性をどこまで訴求できるか注目したい。
(文=丸山美和)
「まさにコンビニになるということだ」と高柳社長
日刊工業新聞2019年2月14日

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