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長岡歯車製作所と地元高専、直交軸の非円形歯車を共同開発

3Dプリンターで試作、農業機械や印刷機器向け部品の利用想定
長岡歯車製作所と地元高専、直交軸の非円形歯車を共同開発

長岡高専と共同で作製した直交軸の非円形歯車

 岡歯車製作所(新潟県長岡市、山崎隆社長)は、長岡工業高等専門学校と共同で、直交軸の非円形歯車を開発した。不等速回転を伝える機構を必要とする農業機械や印刷機器向けの部品としての利用を想定している。今後、試作を重ねることによって精度を高める。さらに用途開拓にも取り組み、製品化につなげる。

 非円形歯車は速い動きと遅い動きを交互に生み出すことや、回転中の変則的な動きなど不等速運動を行う機構に使われる。これを直交軸の歯車機構「ベベルギア」に応用して組み合わせた。ベベルギアは傘状の歯車で、かみ合う歯車のそれぞれの軸が平行ではなく角度を持って交わっている。

 両者が行った3Dプリンターで製作した試作品の試験では、設定した速度比で回転することを確認した。

 今後、さまざまな速度比に対応した歯車の試作や歯面形状の解析などに取り組み、用途開拓と製品開発につなげる。イネを植える植機のツメを田んぼにゆっくりと挿(さ)した後、元の位置に素早く戻す不等速運動が必要な田植え機などでの採用を見込む。
日刊工業新聞2017年9月8日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
開発には長岡市の「3大学1高専ワンポイント活用事業補助金」制度を活用した。長岡歯車製作所が考案した理論を基に、長岡高専が3Dプリンターを使った試作などを担当したという。

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