SUV比率高まり、専用タイヤの競争勃発

メーカー各社、低燃費や静粛性などを訴求

 国内のタイヤメーカー各社が、スポーツ多目的車(SUV)向けタイヤに力を入れている。横浜ゴムは8月、岩場や泥道など未舗装路(オフロード)での使用を想定したタイヤを発売する。今年に入り、ブリヂストンと東洋ゴム工業はあらゆる路面に適したSUV専用タイヤをすでに投入した。日本の販売台数全体に占めるSUVの割合は年々拡大し、専用タイヤの重要性を認識している。

 横浜ゴムが発売する「ジオランダー M/T G003」は、オフロードユーザー向けに13年ぶりに投入された新製品だ。泥道や砂利道などに適したマッドテレーンタイヤで、トラクション性能を高めたトレッドとブロックを設計した。

 路面をしっかりと捉え、かき込んだ土を排出しやすい側面とした。内部の骨組みも耐久性を高める目的の専用構造にした。消費財製品企画部の小島弘行タスクリーダーは「オフロードレースで培った技術を盛り込んだ。

 本当にSUVが好きで、道なき道を走りたいドライバーに訴求したい」と胸を張る。同社のSUV向けタイヤにおけるフラッグシップモデルと位置付けている。

 オフロード好き以外にもユーザーの多いSUV。ブリヂストンは2月、2種類のタイヤを投入した。「アレンザ001」は、欧州製など高級SUV向けブランドだ。

 骨格部分に補強材を採用して剛性を保った上、制動時の接地性も上げ、「高級SUVに求められる、どんな路面でも高い運動性能を確保した」(原秀男フェロー)。

 「デューラーA/T 001」は専用コンパウンドなどを採用。あらゆる道での走破性に加え、オンロード(舗装路)での低燃費性能にも着目した。

 東洋ゴムは3月、オールテレーンタイヤ「オープンカントリー A/T プラス」を発売した。パターンに改良を加え、オフロードでのトラクション性能を保ちつつ、オンロードでの静粛性を持たせた。
                

(文=山田諒)

日刊工業新聞2017年7月3日

日刊工業新聞 記者

日刊工業新聞 記者
07月04日
この記事のファシリテーター

自動車情報サイト「マークラインズ」によると、日本の自動車販売台数に占めるSUVの割合は、2016年が9・2%。前年とほぼ同水準だが、5年前と比べると4・9ポイント増えた。日本自動車販売協会連合会の担当者は「SUVはユーザーニーズが高い分野。今後も伸びが期待できそうだ」と分析する。横浜ゴムの小島タスクリーダーは「SUVの使われ方は人それぞれ。多彩なタイヤ群を用意して需要を取り込みたい」としている。まだまだ高まりそうなSUV人気を受けて、競争は激しくなっていきそうだ。
(日刊工業新聞第一産業部・山田諒)

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。