関電、値下げ前倒し。法人顧客の減少に歯止めなるか

高浜原発再開で還元

 関西電力の岩根茂樹社長は19日会見し、電気料金の引き下げを8月1日に前倒しで実施すると表明した。関電は高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)が16日に営業運転を始め、同3号機も7月4日にも営業運転に入る見通し。当初は9月以降の値下げと見られていたが「使用量が多くなる夏場に向けて少しでも早く返すため前倒しを判断した」(岩根社長)。高浜3号機の営業運転後、国に引き下げを届け出、8月1日実施を目指す。

 値下げ幅については高浜3、4号機の運転再開による火力燃料費削減分と経営効率化の深掘りの成果などを還元し、届け出時に公表する。火力燃料費削減分による効果が限定的と見られるため、経営効率化の深掘りの成果がどれだけ加算されるかに期待がかかる。

 大口顧客など法人向けの値下げについては「個別対応で一部先行値下げしているところもある。個々の法人顧客との値下げ交渉になる」(同)。ただ岩根社長は「すべての顧客に還元が行き渡るように平等に還元していきたい」と強調した。

 関電は新電力に顧客を奪われ、大口顧客が年率数%単位で減少している。そのため高浜3、4号機の再稼働により競争力を強化し、法人顧客の減少に歯止めをかけたい考えだ。

日刊工業新聞2017年6月20日

永里 善彦

永里 善彦
06月20日
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 昨年4月の電力小売全面自由化以来、関電は、大口顧客が年率数%単位で減少している。この事態に歯止めをかけたい関電は、高浜原発4号機が16日に営業運転を始め、同3号機も7月4日にも営業運転に入るので、電力料金を下げる。福島の東電過酷事故後、大手電力が電力料金を下げる初めてのケースとなる。夏場のエアコン使用などで電力需要が増えるのを見越しての値下げだ。
 原発再稼働は、消費者に値下げという恩恵を与えるが、九電は玄海原発3、4号機を今秋再稼働させるが値下げせず、四国電力も伊方原発3号機を再稼働させたが値下げはしない。関西ほどの自由化による競争が激しくないからだ。いっぽう東電は、地元の理解が得られず、柏崎刈羽原発の再稼働の見込みがたたないので、値下げしたくともできない状態だ。自由化は電力消費地に恩恵はあっても原発生産地にはリスクのみ背負い恩恵がないと地元は感じている

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