試合の決定的瞬間、好きな角度から視聴

筑波大が映像技術開発、東京五輪までの実用化目指す

 筑波大学計算科学研究センターの北原格(いたる)准教授らは、撮影中の映像を自由視点でリアルタイムに回転できる映像技術を開発した。ダンスやスポーツなどを競技中の選手を追跡しながら、その選手を中心に映像を回転させる。試合の決定的瞬間を好きな角度から見ることができる。スポーツ中継などの演出に提案していく。2020年開催の東京五輪・パラリンピックまでの実用化を目指す。

 ダンスのステージや競技場を複数のカメラで囲んで撮影した。選手の位置を距離カメラで計測した上で、多視点映像と立体空間情報を統合する。任意の位置を中心に映像を切り替えて、一定距離を置いて選手がカメラに囲まれて撮影されたような映像を生成する。実験では21台のカメラで5メートル四方の空間をとり囲み、毎秒30コマの空間映像をリアルタイムで生成できた。

 カメラは撮影角度が10度以内になるように配置すると滑らかな回転映像を生成できるという。空間配置がわかるため、拡張現実(AR)技術でアニメーションなどを追加することも可能。従来は撮影後に映像処理していたため、リアルタイム演出が必要な放送には使いにくかった。

 高速カメラを利用すれば、スロー再生と視点変更を同時に行うことも可能。バットのスイングやシュートの瞬間、ダンスのフォームなどを確認しやすい。

 また、スポーツ解説者や演出家ごとに、同じ試合やステージを別の角度からみせる演出も可能になる。同じ試合であっても、解説者ごとのコンテンツとしていくつも作り分けられるため、投資効果を高められる。

日刊工業新聞 2017年6月14日

斉藤 陽一

斉藤 陽一
06月16日
この記事のファシリテーター

 スポーツ解説者ごとの演出というのはユニークなアイデアですね。サッカーで言えば「松木安太郎さん視点」「セルジオ越後さん視点」といった演出の分け方が可能になるということでしょうか。

この記事にコメントする

  

ファシリテーター紹介

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。