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「専門職大学」は医療・福祉の産学連携を促すか

敬心学園が19年度に開設、実践的な学びの場に
  医療・福祉系専門学校を経営する学校法人の敬心学園(東京都新宿区)は、2019年度からの新制度に合わせ「専門職大学」を開設する。専門学校で養成する介護福祉士などに対し、より高度な専門教育を関連企業との産学連携で行う。国際的に通用する学位取得でアジアからの留学生を引きつけ、日本の社会人の学び直しにも対応する。将来は専門職大学の学生数3000人程度を目指す。

 新たな高等教育機関としての専門職大学の制度は、24日に改正学校教育法が成立して決まった。敬心学園は医療・福祉・保育分野で、19年度の制度開始に合わせて開設を目指す。設置学科は検討中。4年制を基本に2年制や夜間コースも検討する。現役職業人のキャリアアップ支援に向けて、短期プログラムの積み上げや長期履修の制度を考えている。

 医療や福祉の企業との産学連携による実践的な学びを徹底する。教育課程の編成や実習、設備や機材の提供、卒業研究テーマの設定などで企業の協力を得る。

 最新の現場知見を提供する実務家教員は、クロスアポイントメント制度を活用して雇用。専門学校の経営資源も生かし、ロボットやITを活用した介護や高齢者の旅行支援などに取り組む構想もある。
                
日刊工業新聞2017年5月25日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
同学園は教育事業で「日本福祉教育専門学校」「日本リハビリテーション専門学校」など五つの専門学校を持つ中堅で、グループで福祉や医療の事業も手がけている。通信制を含め1―4年生で計約3600人が学んでいる。20代を中心とした社会人の学び直しが7割、高校卒業直後などの入学は3割。同学園は大学院の併設も視野に、現在の専門学校に匹敵する規模の教育事業として、新制度による大学設置方針を決めたという。

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