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週刊誌のランキングじゃない真面目な病院評価に注目を!

日本医療機能評価機構のサーベイヤーが90項目を審査
 週刊誌などによく、治療ベストテンとか専門医ランキングとかいう記事が載っています。信頼できる記事もあれば、いい加減な取材でお茶を濁している記事もあります。

 日本で唯一と言ってよい真面目な病院機能評価機関として、日本医療機能評価機構(略して評価機構またはJQ)があります。難しそうな名前ですし、聞いたことないですよね。

 1995年7月に創立され、22年の歴史があり、その間真面目に、全国の病院の機能を評価し、医療の質向上に貢献してきました。

 日本の病院で今当たり前になっている医療安全、感染管理、診療録開示、患者サービスの向上などが大きく進んだのは、病院機能評価によるところが大きいと思われます。

 そのお手本は、米国のJCAHO(医療施設認定合同機構、1910年設立)と言う団体です。日本の評価機構は、現在ではISQua(国際医療の質学会)という国際学術団体からも承認されています。

 さて、実際評価機構が何をやっているのかをお話しします。病院と言っても、規模(ベッド数)の違い、どんな医療を提供しているか(機能)の違いがあり、医療機能評価を行う際は「機能種別」と呼んで、それぞれに適応した評価項目、評価内容となっています。

 機能種別には、規模が小さく、地域医療に取り組んでいる「一般病院1」、規模が大きく広い地域の基幹病院である「一般病院2」、リハビリ機能を高めた「リハビリテーション病院」、療養病棟のための「慢性期病院」、さらに「精神科病院」などの種別があります。また、近く大学病院などの特定機能病院のための「一般病院3」が開始となります。

 認定を受けるには事前に詳しい書類を評価機構に送り書類審査を受けます。更に機能種別により、3―6人のサーベイヤー(研修を受けた訪問審査員)が病院を訪問し、2日または3日かけ大体90項目の審査を行います。

 評価項目の内容を大きく分けると、(1)患者中心の医療の推進、(2)良質な医療の実践、(3)理念達成に向けた組織運営です。サーベイヤーはその結果を詳しいリポートで評価機構に提出し、評価機構でも更に検討し、認定か留保かが決まります。

 認定された病院は、現在のわが国の病院医療の中でも高い水準にあると考えてよく、安心して診療を受けることができます。認定証は病院の玄関に掲示してあり、ホームページや病院のパンフレットでも確認できますので、病院にかかる際には一度ご確認下さい。
(文=木村厚 社会医療法人一成会木村病院理事長・院長) 
日刊工業新聞2017年4月14日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
初めてホームページを見ましたがかなり充実した内容になっています。

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