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大廃炉時代の到来?中国電、島根原発1号機の廃炉に着手

 【広島】中国電力は島根原子力発電所1号機(松江市)の廃炉作業に着手した。2045年度の全設備の撤去まで4段階に分けて工事を進める。第1段階を解体工事準備期間と位置づけ、21年度まで解体撤去方法の策定、施設内の放射能量のデータ収集などを行う。原子炉本体の解体撤去は第3段階で、30年度から始める。

 第1段階では作業者の放射線被曝を低減するための方法や、廃棄物発生量を高精度で評価するための調査が主体。正確なデータ取得に必要な周囲からの放射線影響を遮る遮蔽(しゃへい)体を設置する場所を21カ所決めるマーキングなども行う。
                 
日刊工業新聞2017年8月4日
永里善彦
永里善彦 Nagasato Yoshihiko
 日本の原発は、福島原発全てが廃炉となり、関電、九電、中国電、日本原電の小規模原発5基も廃炉となった。四国電力の伊方原発1号機の廃炉もいま遡上に上る。これから日本では大廃炉時代が始まる。今回の中国電力の島根原発1号機のように健全原発であっても廃炉作業には30年かかる。  国内において原子力技術と人材を継続的に確保・維持することが欠かせない。その際、成否を左右するのは、良質な総合エンジニアリングである。設計、安全審査、建設、運転、保守等の各段階をシステムとしてまとめ上げる技術力とマネジメント力である。原子力のような総合技術は、いったん消えてなくなると、再生・再興するのは極めて困難である。技術と経験の伝承を途絶えさせるわけにはいかない。日本は廃炉技術を確立し、そして、いずれ必要となる途上国の原発の廃炉作業に貢献すべきである。

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