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実海域で世界初、水深100mでの海流発電

IHIとNEDOが来月から実証、鹿児島・口之島沖で「黒潮」活用
実海域で世界初、水深100mでの海流発電

実証機

 IHIと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、8月下旬から実海域で世界初となる海流エネルギー発電の実証実験を始める。IHIは発電出力100キロワット級の実証機を横浜工場(横浜市磯子区)で完成。昼夜や季節による流れの速さ・向きの変動が少なく、安定している鹿児島県口之島付近の黒潮海域で実証する。

 実証は口之島の北側で水深約100メートルの場所を想定する。海底から伸ばしたケーブルをカプセル型の付帯にタービン翼をつけた発電機につなぎ、浮体内部に発電機や浮力調整装置などを収容する。海中で装置を凧(たこ)のように浮遊させて運用する。

 実証機は発電量50キロワットの発電機2基を1対とする双発式。全長約20メートル×幅約20メートルで、タービン翼直径は約11メートル。実証の総事業費は40億円を見込む。海流発電は再生可能エネルギーの中でも設備稼働率が60―70%と高い。

 実証実験を踏まえ、2020年代の実用化を目指す。実用機は出力2000キロワットの大型機で、タービン翼直径は40メートルを想定する。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
海流発電は再生可能エネの中でも、設備稼働率(発電できる時間)が高い。稼働率は太陽光発電で10―15%、風力発電で20―30%。海流発電は60―70%と言われ、安定稼働が期待できる。

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