東大が統合失調症の神経異常発見。治療法確立の糸口に
東京大学大学院医学系研究科の笠井清登教授らは、統合失調症患者に起こる神経伝達系の異常を発見した。精神障害の症状や認知機能を改善させる治療法の確立につながる可能性がある。千葉大学との共同研究。
今回の成果は23日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
研究チームが、患者と健常者のグループで疾患指標の音刺激に対する脳波を比較したところ、患者グループで反応が低下していた。さらに、患者では健康な人と比較して、血漿(けっしょう)中のグルタミン酸濃度が上昇しており、血漿グルタミン酸濃度が高いほど脳波反応が小さいという相関を突き止めた。
笠井教授は、「動物を使った基礎研究でさらに相関が明らかになれば、非臨床試験や臨床試験につなげられる」と話している。
統合失調症とは、思考や行動、感情を目的に沿って統合する能力が長期間にわたって低下する疾患。幻覚や妄想、まとまりのない行動などの症状が現れ、能力の低下などを引き起こす。症状の一部は薬物療法が効果的だが、原因は明らかになっていない。
今回の成果は23日、英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
研究チームが、患者と健常者のグループで疾患指標の音刺激に対する脳波を比較したところ、患者グループで反応が低下していた。さらに、患者では健康な人と比較して、血漿(けっしょう)中のグルタミン酸濃度が上昇しており、血漿グルタミン酸濃度が高いほど脳波反応が小さいという相関を突き止めた。
笠井教授は、「動物を使った基礎研究でさらに相関が明らかになれば、非臨床試験や臨床試験につなげられる」と話している。
統合失調症とは、思考や行動、感情を目的に沿って統合する能力が長期間にわたって低下する疾患。幻覚や妄想、まとまりのない行動などの症状が現れ、能力の低下などを引き起こす。症状の一部は薬物療法が効果的だが、原因は明らかになっていない。
日刊工業新聞2017年5月24日