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もう宴は終わったのか?太陽電池大手4社、全社販売減。FIT開始後で初

頼みの海外市場も競争は厳しく、活路を見いだせず
 太陽電池大手4社の2017年3月期の販売実績は、再生可能エネルギーで作った電気の全量を固定価格で買い取る制度(FIT)が12年に始まって以来、初めて全社が前期割れとなった。国内市場の縮小が鮮明となり、京セラは前期比約8%減の110万キロワット、シャープは同約30%減の70万キロワット。実績は非公表だが、パナソニックは営業損益が赤字に転落した。各社とも事業の再構築を急ぐが、頼みの海外市場も競争は厳しく、活路を見いだせないでいる。

 京セラは17年同期、130万キロワットを目指していたが、結果は前期実績を下回った。テスラ子会社向けを含む北米市場が苦戦した。日刊工業新聞の調査でFIT開始後、同社のマイナスは初めて。

 シャープは国内の住宅、産業向けとも低迷し、100万キロワット割れ。ただ、利益を圧迫していた原材料の契約を見直し、営業損益は黒字に転換した模様だ。パナソニックは主力の国内住宅市場の縮小が稼ぐ力を削いだ。

 京セラは収益改善のために国内の組立工場を2拠点から1拠点に集約し、一部生産は協力会社に委託する。海外は米国を縮小し、タイ市場に力を注ぐ。

 12月期のソーラーフロンティアは海外の受注活動を停止し、国内市場に集中する。価格競争が激しく、収益が悪化したためだ。年100万キロワットの生産能力があるが、工場は休止せずに稼働を続ける。

 パナソニックは海外事業を強化する。夏に米国工場を稼働させ、テスラへの供給を本格化する。津賀一宏社長は「テスラ以外にも引き合いがある」とし、次の海外工場建設の可能性にも言及している。

 太陽光発電協会によると、17年3月期の国内出荷量は600万キロワット台が見込まれており、ピークの15年同期から300万キロワット減少した模様。過剰設備を抱えた中国メーカーが値下げ攻勢をかけており、海外進出しても採算は厳しい。
                     

日刊工業新聞2017年5月19日
松木喬
松木喬 Matsuki Takashi 編集局第二産業部 編集委員
毎年、各社に聞き取って実績をまとめています。いつまで、どこまで縮小が続くのか。未公表も増えてきました。京セラ、ソーラーフロンティアは踏みとどまっています。この2社のメガソーラー向けの受注残がどれだけあるのか。ソフトランディングの体制なのか。日経は「宴のあと」なんて書いていました。もう宴は終わったのでしょうか?

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