家庭用血圧計で世界展開を目指すエー・アンド・デイのベトナム工場活用術
ロットが大きい米国・ロシア向けを主に生産
エー・アンド・デイは電子計測器や電子天秤(てんびん)などの計測・計量機器事業と、血圧計や体組成計などの医療・健康機器事業が2本柱だ。家庭用の健康機器では日本や欧米などの先進国をはじめ、中国などの新興国でも製品を拡充し、市場開拓を進めている。2016年にはベトナムの生産拠点を稼働した。医療・健康機器の世界展開を推進する。
ベトナム生産拠点のA&Dベトナム(バクニン省)はハノイ市郊外にあり、延べ床面積は5058平方メートル。家庭用血圧計の製造子会社として15年に設立し、16年に工場が稼働した。同拠点は家庭用血圧計のコスト競争力を高めるための戦略拠点だ。
エー・アンド・デイは02年、中国に健康機器の製造を手がける愛安徳電子(広東省深圳市)を設立している。だが、近年の人民元高や人件費の高騰などがネックとなっていた。今後、中国拠点からベトナム拠点に生産移管を進め、原価低減に取り組んでいく。
森島泰信社長は「中国拠点は製造時の段取り替えを含め、生産システムができ上がってきた。ベトナム拠点は同じ製品をつくるところから始める」と話す。
ベトナム拠点ではロットが大きい米国・ロシア向けを主に生産し、日本市場向けなど多品種少量製品は中国拠点でつくる。また、「ベトナム拠点では建屋にも余裕がある」(森島社長)とし、人員や組み立てラインの増強も検討していく。
ベトナムでの生産拡大に向け、カギとなるのが部材の現地調達だ。電子部品など、ベトナムで供給できる企業は少ない。同社も日本や中国から部品を輸出し、ベトナムで組み立てており、今のところ現地調達はほとんどない。
森島社長は「部品を現地調達しなければ意味がない。現地調達率を高めて、現地生産を増やしていく。そのための準備を進めている」と明かす。
今後、血圧計の外装の成形品やカフ(腕帯)なども現地調達に切り替える計画だ。「成形品やカフの縫製をベトナムでやるだけで現地調達率は何割かに高まる。コストメリットとして現れてくる」(森島社長)と期待する。
ベトナムにも日系自動車メーカーが生産拠点を構え、日系部品メーカーの移転も進み始めている。「調達できるチャンスが出てきている。産業移転のプロセスを見ながら、現地調達化の検討を進めていく」(同)方針だ。
森島社長は「当社はこれまで自動車産業向けの試験機を中心に成長してきた。医療・健康機器も成長事業に変わるところまで来た」と話す。世界的にも高齢化が進み、新興国の経済成長で医療ニーズも伸びている。
特に、同社の家庭用健康機器は、高度医療や在宅医療で使われている製品技術を生かしている点に強みがある。「医療・健康機器の全体の市場規模が大きくなる中で、当社の事業も大きくなる。事業のグローバル化を進める」(同)考えだ。ベトナム拠点を世界展開の礎の一つとしていく。
ベトナム生産拠点のA&Dベトナム(バクニン省)はハノイ市郊外にあり、延べ床面積は5058平方メートル。家庭用血圧計の製造子会社として15年に設立し、16年に工場が稼働した。同拠点は家庭用血圧計のコスト競争力を高めるための戦略拠点だ。
エー・アンド・デイは02年、中国に健康機器の製造を手がける愛安徳電子(広東省深圳市)を設立している。だが、近年の人民元高や人件費の高騰などがネックとなっていた。今後、中国拠点からベトナム拠点に生産移管を進め、原価低減に取り組んでいく。
森島泰信社長は「中国拠点は製造時の段取り替えを含め、生産システムができ上がってきた。ベトナム拠点は同じ製品をつくるところから始める」と話す。
ベトナム拠点ではロットが大きい米国・ロシア向けを主に生産し、日本市場向けなど多品種少量製品は中国拠点でつくる。また、「ベトナム拠点では建屋にも余裕がある」(森島社長)とし、人員や組み立てラインの増強も検討していく。
ベトナムでの生産拡大に向け、カギとなるのが部材の現地調達だ。電子部品など、ベトナムで供給できる企業は少ない。同社も日本や中国から部品を輸出し、ベトナムで組み立てており、今のところ現地調達はほとんどない。
森島社長は「部品を現地調達しなければ意味がない。現地調達率を高めて、現地生産を増やしていく。そのための準備を進めている」と明かす。
今後、血圧計の外装の成形品やカフ(腕帯)なども現地調達に切り替える計画だ。「成形品やカフの縫製をベトナムでやるだけで現地調達率は何割かに高まる。コストメリットとして現れてくる」(森島社長)と期待する。
ベトナムにも日系自動車メーカーが生産拠点を構え、日系部品メーカーの移転も進み始めている。「調達できるチャンスが出てきている。産業移転のプロセスを見ながら、現地調達化の検討を進めていく」(同)方針だ。
森島社長は「当社はこれまで自動車産業向けの試験機を中心に成長してきた。医療・健康機器も成長事業に変わるところまで来た」と話す。世界的にも高齢化が進み、新興国の経済成長で医療ニーズも伸びている。
特に、同社の家庭用健康機器は、高度医療や在宅医療で使われている製品技術を生かしている点に強みがある。「医療・健康機器の全体の市場規模が大きくなる中で、当社の事業も大きくなる。事業のグローバル化を進める」(同)考えだ。ベトナム拠点を世界展開の礎の一つとしていく。
日刊工業新聞2017年5月17日