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心房細動かも?脳梗塞を防ぐ自分でできる正しい脈の測り方

拍動が強いところに中指をあてて3本の指で触れるのがコツ
心房細動かも?脳梗塞を防ぐ自分でできる正しい脈の測り方

心房細動は脳梗塞の原因となる不整脈

 3月9日は「脈の日」です。3(みゃ)月9(く)日の語呂合わせです。日本脳卒中協会と日本不整脈心電学会は、この日から1週間を「心房細動週間」と定め、心房細動の恐ろしさを啓発しています。

 心房細動は、放っておくと心臓に血栓(血の塊)ができてしまい、脳梗塞の原因となる不整脈です。発症するリスクが、”健康な人に比べると約5倍“と報告されています。

 心臓は収縮と拡張を繰り返し、ポンプの働きをしています。四つの部屋からできていて、上の二つは心房と呼ばれ、補助ポンプの働きをしています。下の二つは心室といい、主ポンプの働きをしています。

 心房には1分間に60から100回の規則正しい電気興奮を生み出す洞結節(どうけっせつ)という場所があり、ここから電気興奮が、まず心房に伝わって収縮します。

 次に心室にひとつひとつ伝わり、収縮して脈拍を作り出していきます。先に補助ポンプ、そして次に主ポンプの順に動く繰り返しが、規則正しい一定の脈拍を作り出しています。

 心房細動は、1分間に250から350回もの電気興奮が、洞結節1カ所だけではなく、心房の至る所から、絶えず湧き上がり、心房がけいれんしている状態となります。

 この異常な電気興奮は、不規則にしか心室へと伝わることができず、結果として脈拍が速くなり、またその間隔が、バラバラで不規則になります。

 心房細動は歳をとるにつれて発症率が高くなります。例えば70歳代男性でみると、4%が発症し、罹(り)患者数は国内で70万人以上と推測されています。

 高血圧、ストレス、メタボリック症候群の人にも多くみられます。症状は「ドキドキする」、「階段を上るのがつらい」などです。一方で、その半数は自覚症状がなく、健康診断の心電図検査で見つかることが多くあります。

 それでは、ここでご自身の脈をチェックしてみましょう。

 まず左手の平を上に向け、手首を少しまげます。そして、できたしわの位置に右手の薬指の先がくるように、人さし指、中指、薬指の3本の指をあてて脈に触れます。

 1本ではなく、もっとも拍動が強いところに中指をあてて、その上下を少しずつずらしながら3本の指で触れるのがコツです。

 いかがでしたでしょうか?

 もしも不規則だと感じたら、心房細動かもしれません。
(文=堀江格 南町田病院内科・循環器科)

日刊工業新聞2016年2月5日
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
心房細動は、三つの段階で進行する。最初は発作性。放っておくと徐々に発作の頻度が増えて、持続時間が長くなっていく。そして発作が1週間以上続くようになったのが持続性となる。さらにその状態で2年間以上経過すると、もとに戻れない永続性となる。発作を繰り返し、心房が傷んでしまうと、もう後戻りできなくなってしう。発作性の段階であれば、85%程度は根治が可能とか。早めに専門医との相談を。

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