トヨタの次世代エンジン開発プロジェクト「DS20」とは?

新設計思想「TNGA」の第2世代に着手、2020年代前半に投入へ

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豊田章男社長
 トヨタ自動車は世界各地の燃費規制などをクリアするため、新設計思想「TNGA」に基づくエンジンの第2世代の開発に着手する。TNGAエンジンをベースにもう一段の原価低減や軽量化、燃費改善などを実現、2020年代前半にも投入する。トヨタは今夏から量産するTNGAエンジンで規制を乗り切る計画だったが、想定以上に厳しくなるため設計を新たにする。電動化車両の普及には時間を要すると判断し、エンジンを進化させる。

 第2世代のエンジンの開発プロジェクトの総称は「DS20」。DS20のDSはダウンサイズの略で、取引先企業に協力要請を始めた。25年には欧州などでの燃費規制が一段と強化される見込みのため「DS50」の総称で第2世代エンジンに追加デバイスを搭載して規制クリアを狙う構想も始動する。

「今の規制強化のペースではクリアは難しい」


今夏に投入予定のTNGAに基づく排気量2500ccガソリンエンジン

 TNGAエンジンは、今夏に全面改良して発売する新型セダン「カムリ」に搭載する排気量2500cc直列4気筒ガソリンエンジンが第1弾。当初はTNGAエンジンで燃費規制や環境規制の強化に対応する予定だったが「今の(規制強化の)ペースではクリアは難しい」(トヨタ幹部)と判断した。

 そのため、TNGAエンジン群の生産立ち上がり順に、すぐさま性能向上と原価低減をより進める第2世代の開発に着手する。ただ「コストありきであれば、(実現は)難しい」(部品メーカー首脳)との声も漏れる。トヨタはサプライヤーの協力を得なければ規制対応は困難と判断しており開発思想を基にサプライヤーの知見を生かしながら一体となって規制クリアを目指す。

 トヨタは各国の規制強化を見据えプラグインハイブリッド車(PHV)や燃料電池車(FCV)に力を入れ、電気自動車(EV)も開発する。ただ、普及期を迎えるまで時間がかかるためガソリン車も競争力を向上させる。

日刊工業新聞2017年4月21日

COMMENT

明豊
デジタルメディア局
局長

トヨタは今後、5年間は環境対応規制で悩ましい状況が続き。既存のエンジン、注力し始めたEV、あくまで本命というFCV。すべてのリソースに自社で対応していくのはトップメーカーの宿命。当然、設備・研究投資も高水準が続く。系列サプライヤーとの協力した原価低減は毎年2000ー3000億円は効果を出す。部品メーカーからみると厳しい要求である一方、TNGAに対応した部品は汎用性が高いものが多く、新技術を採り入れておりトヨタ以外への供給もしやすいという側面もある。

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