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品切れや過剰在庫がなくなる!?気象データ×AIで変わる企業物流 

日本気象協会が「eco×ロジ」プロジェクトを推進
*省エネ物流プロジェクト、内田洋行など追加参画−気象から需要予測
 日本気象協会の気象予測情報を生かした省エネ物流プロジェクトが加速している。このほど内田洋行、スーパーマーケットチェーンのタイヨー(茨城県神栖市)など4社が新たに参画し、参加団体数は30となった。同プロジェクトは気象データと人工知能(AI)を組み合わせた需要予測モデルを開発する。参加団体が増えることで需要予測モデルの精密化につながりそうだ。

 このほか、企業の在庫分析サービスを手がけるリンク(大阪市北区)、市場活動調査会社の不満買取センター(東京都新宿区)が新たに加盟した。同プロジェクトは2014年に発足。伊藤園やキッコーマン食品(東京都港区)といったメーカー、川崎近海汽船などの卸売事業者、ローソンなどの小売事業者、早稲田大学産業技術総合研究所などの研究機関が参加している。

 協会による気温予測情報などを基に、食品メーカーが増産や減産の生産計画を立てて小売り企業や物流会社と情報共有する仕組み。小売店からの発注量を予測して商品を生産する「見込み生産」に比べて欠品や食品ロスを防げる。冷やし中華のつゆや冷ややっこの過不足で発生する販売損失の削減効果を実証した結果、つゆは約2割、冷ややっこは約3割の削減効果が出た。

 今後は、過去の商品需要と気象状況から商品ごとに売り上げが変化しやすい気象パターンを把握。天気予報で得られる将来の気象パターンから注目すべき商品を特定できるようにする。

日刊工業新聞2016年11月8日

省エネ物流企業にお墨付き−日本気象協会がマーク制定


 日本気象協会は、協会の気象予測情報を生かした省エネ物流プロジェクトに賛同する企業・団体向けのマーク「eco×ロジ(えころじ)」を制定した。エコロジーとロジスティクス(物流)をかけあわせた造語。

 トラックや船をはじめ、商品ラベルへの印字や企業のホームページへの掲載を想定。商品需要予測の情報をもとに、生産や配送、在庫管理などを行っている意思を表明する。協会が認定した商品や方法で使用できる。

 協会は2014年度から経済産業省の補助事業「需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流プロジェクト」で、協力企業とともに天気予報を活用した需要予測や省エネ物流に取り組んでいる。

日刊工業新聞2017年2月15日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
食料品や飲料、衣料品、家電などは暑さ寒さで需給がぶれるため、気象予測の精度が上がれば物流の効率化とともに、欠品や在庫の増加といったロスをコントロールできる可能性があります。

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