100年後、東・西日本で梅雨が短くなる―降雨量増え災害危惧
気象研が予測、梅雨入りが6月下旬ごろに
気象研究所環境・応用気象研究部の高薮出部長の研究グループは、約100年後に東日本と西日本で梅雨の期間が短くなる可能性があることを明らかにした。東・西日本以外の地域では梅雨の期間の変化は予測されていない。約100年後には、梅雨明けが7月下旬で現在とほぼ同じである半面、梅雨入りが6月下旬ごろになり、20日程度期間が短くなる可能性があるという。
梅雨前線は、日本の北側で発生するオホーツク海高気圧から吹く冷たい湿った気流と、日本の南側で発生する太平洋高気圧から吹く暖かい湿った気流がぶつかり合うことで発生する。現在、両地域は6月上旬に梅雨入りし、7月下旬には梅雨が明ける。
気象研究所の気候モデル「MRI―AGCM3.2」を使ってシミュレーションを実施。約100年後には太平洋高気圧が現在よりも南に移動し、オホーツク海高気圧から吹く気流と太平洋高気圧から吹く気流のぶつかる位置が南にずれることで、梅雨前線の北上が遅れると予想。梅雨明けが変わらない理由としては、梅雨前線の発生が現在よりも南にずれるものの、梅雨前線の北上する速度が現在よりも速くなることが考えられるという。
研究グループは、このほか地球温暖化の影響で大気中の水蒸気が増え、約100年後の7月の降雨量が増える可能性についても指摘。同研究所気候研究部第一研究室の楠昌司研究官は「洪水や土砂崩れなど、自然災害への対策が必要になるだろう」と話している。
成果は20日に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で行われる日本気象学会で発表する。
梅雨前線は、日本の北側で発生するオホーツク海高気圧から吹く冷たい湿った気流と、日本の南側で発生する太平洋高気圧から吹く暖かい湿った気流がぶつかり合うことで発生する。現在、両地域は6月上旬に梅雨入りし、7月下旬には梅雨が明ける。
気象研究所の気候モデル「MRI―AGCM3.2」を使ってシミュレーションを実施。約100年後には太平洋高気圧が現在よりも南に移動し、オホーツク海高気圧から吹く気流と太平洋高気圧から吹く気流のぶつかる位置が南にずれることで、梅雨前線の北上が遅れると予想。梅雨明けが変わらない理由としては、梅雨前線の発生が現在よりも南にずれるものの、梅雨前線の北上する速度が現在よりも速くなることが考えられるという。
研究グループは、このほか地球温暖化の影響で大気中の水蒸気が増え、約100年後の7月の降雨量が増える可能性についても指摘。同研究所気候研究部第一研究室の楠昌司研究官は「洪水や土砂崩れなど、自然災害への対策が必要になるだろう」と話している。
成果は20日に国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で行われる日本気象学会で発表する。
日刊工業新聞2016年5月18日 科学技術・大学面