難関インスタグラムのAPI審査を突破した設立2年の新進ベンチャー
SnSnap・西垣代表インタビュー「落とされ続け直接行った方がいいと」
直接Facebook本社に乗り込む
—Instagramの特徴は。
「Instagram、Twitterは匿名で上げやすい。でもTwitterは文字先行だから電車の遅延ですらも上げられるんですよね。ネガティブなものもあがりやすい。その分、拡散もしやすい。一方でInstagramは画像先行型なので、ネガティブなキャンペーンものは少ないんです。自分の好きな旅行とかをあげて、ハッシュタグのキーワードで遊んでいる感じ。ハッシュタグをもとに情報交換ができるメディアですね」
—Instagramをビジネスに使う承認をとるのはとても厳しいと聞きますが。
「大変でしたね。留学時代やAppleの時のツテとかに紹介してもらってサンフランシスコまで行って、直接、本国の人ともコミュニケーションしてアドバイスをもらいました。日本の中の何億個のアプリケーションの中の似たり寄ったりの1つだと思われると、落とされるじゃないですか。これは直接行った方がいいなと」
—行ったのはいつですか?
「2016年の6月です。前年の11月にAPI変更の話がはじまって、そこから情報が入るところは集めつつ、申請をあげていたんですけど、落とされ続けていたんです」
—落とされたときにここがダメというところは教えてくれるんですか?
「書いてくれる担当者と書いてくれない担当者がいるみたいで、まったく書かれていない場合がほとんどなんですよ。だから何を直せばいいかわからない」
—Facebookでお会いした人はどれくらいのレイヤーの人ですか?
「Instagramの担当の人で結構上の人でした。責任者に近い人でした。そこでうちが日本で持っている事例を見せたら、すごい反応がよくて。F8カンファレンスに合わせて行ったのですが、カンファレンス中は2日間フルコミットで名刺交換しまくっていました。話すべき人は別にアポイントを取って、カンファレンス後に打ち合わせをさせてもらって。4日間、ほぼ動いていましたね。1週間後くらいに日本に帰ってきたら承認があさり降りて」
ファンドから「一緒に成長していこう」
—スケールしていく中で資金調達とか、事業を買いたいという話もあったと思いすが、その選択肢の中からファンドのニューホライズン・キャピタル(NHC)をを選んだのは。
「色々な要因があるんですけど、まずサービスとしては僕らの方針でいくと、あんまり色をつけるサービスではないなと思っています。東京ドームはキヤノンさん、サンリオとかディズニーは富士フイルムさん、スカイツリーはエプソンさんとが公式スポンサーになっているので、特定のプリンター・OAメーカーと組むと他と商売がしずらくなります」
「うちを買いたいって会社は広告代理店も含めてあったんですけど、柔軟に対応していくほうがあっているなと。利益優先で、サービスがイケてないと意味がないと思っていて、サービスのスケーラビリティをあげるには、普通に融資してもらうことが大事だと思ったんです。それが1つ目の理由です」
「2つ目に、なんでこのタイミングなのかというと、やっぱり(自社購入している)プリンターを増やせばサービス受注できるのに、筐体の台数が足りない理由で売り上げが出せないことがあったんです。ハロウィンやクリスマスのようにイベントは同じ日に全国で同時に開催していくので、関東で予約が埋まってしまって、飛び込みで問い合わせがくるんですけど在庫がなくお断りしたり」
「あとは縁があったってことですね。安東(泰志)社長をはじめNHCの方々が、自分たちのチームとサービスの可能性をとても評価して頂き、『一緒に成長していこう』とおしゃって頂きました」
「広告って大事だよな」
—最近、話題になったディー・エヌ・エーのキュレーションメディア問題をどう見ていますか。
「大きな転換点になると思っています。昔、なんでいいテレビ番組とか映画ができていたのかを考えると、そこにちゃんといい広告がついていたからだと思っているんです。メディアやコンテンツの質が担保されていた時代ってあったじゃないですか」
「今の時代の2ー3分の動画が何億円にもなるって結構異例なことだと思っていて、誰でもクリエイターになれるっていうのはありつつも、大量に色々な情報が出てきているだけで、クオリティーの精査とかが出来ていないと思うんです。そういうのにちょっと違和感がありました。これを機にコンテンツの質を担保するようになると思っています」
—デジタル広告市場は今後どう変化するでしょう。
「スマホ画面になって、広告はノイズのようにはなったんですけど、例えば安い運賃で電車に乗れるのも、広告のおかげという側面もあります。世の中、昔から広告で回っているのは変わっていなくて、ネイティブアドとか広告を出さないメディアが評価されている部分もありますけど、『広告って大事だよな』って思っています。広告も広告ではないコンテンツも、質の高いものが増えていく流れにシフトしていくでしょうね」
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