川重、造船事業を3割縮小へ。神戸は潜水艦シフト
坂出に国内商船集約。中国合弁と「分担」推進
川崎重工業は不振が続く造船事業について、2020年度までに国内の事業規模を約3割縮小する構造改革に乗り出す。国内の商船建造を坂出工場(香川県坂出市)に集約し、中国の合弁造船会社に商船建造をシフトする。足元の2年は海洋開発向け船舶建造の工程混乱などを受け、多額の損失を計上してきた。規模縮小で棚卸し資産や固定費を圧縮し収益体質を改善。全社の経営指標である税引き前ROIC(投下資本利益率)8%以上を必達目標に掲げる。
国内では20年度までに、坂出工場に二つある建造ドックを一つに減らす。「ガス関連技術や環境技術の開発に注力するほか、中国合弁2社の人材育成や技術支援を強化する」(富田健司常務)方針だ。神戸工場(神戸市中央区)は液化水素運搬船などに建造を絞り、潜水艦建造に軸足を移す。
約2500人の人員は削減せず、定年退職による自然減や他部門への配置転換で対応。造船事業の売上高は1000億円規模だが、20年度に700億円規模に縮小する見通し。
一方、坂出工場と中国合弁2社の一体運営を加速する。坂出工場で新船型のガス船をロット(複数)受注し、1番船を坂出工場で建造。2番船以降を中国2社で連続建造し、生産コストやリードタイムの短縮につなげる。
同様に造船事業の改革を進める三菱重工業も、今治造船、名村造船所と業務提携で基本合意した。建造ドックの相互活用や新船型の設計・開発、資材の共同購入が戦略の柱となる。大島造船所とも今夏の合意を目指し協議を継続する。
各社が構造改革を急ぐのは、歴史的な海運市況の低迷に伴う船腹過剰がその根底にある。台頭する中国・韓国勢との競争も激化。各社は2年分以上の仕事量を持つが、足元の受注は振るわず、19年以降の売り上げ確保に不透明感が漂う。
国内では20年度までに、坂出工場に二つある建造ドックを一つに減らす。「ガス関連技術や環境技術の開発に注力するほか、中国合弁2社の人材育成や技術支援を強化する」(富田健司常務)方針だ。神戸工場(神戸市中央区)は液化水素運搬船などに建造を絞り、潜水艦建造に軸足を移す。
約2500人の人員は削減せず、定年退職による自然減や他部門への配置転換で対応。造船事業の売上高は1000億円規模だが、20年度に700億円規模に縮小する見通し。
一方、坂出工場と中国合弁2社の一体運営を加速する。坂出工場で新船型のガス船をロット(複数)受注し、1番船を坂出工場で建造。2番船以降を中国2社で連続建造し、生産コストやリードタイムの短縮につなげる。
同様に造船事業の改革を進める三菱重工業も、今治造船、名村造船所と業務提携で基本合意した。建造ドックの相互活用や新船型の設計・開発、資材の共同購入が戦略の柱となる。大島造船所とも今夏の合意を目指し協議を継続する。
各社が構造改革を急ぐのは、歴史的な海運市況の低迷に伴う船腹過剰がその根底にある。台頭する中国・韓国勢との競争も激化。各社は2年分以上の仕事量を持つが、足元の受注は振るわず、19年以降の売り上げ確保に不透明感が漂う。
日刊工業新聞2017年4月3日