昨年度の上場企業倒産26年ぶりゼロ、一方老舗企業は…
15年9月第一中央汽船以降18カ月連続
東京商工リサーチと帝国データバンクの民間調査会社2社がまとめた2016年度の上場企業の倒産は、バブル末期の1990年度以降、26年ぶりにゼロとなった。15年9月に民事再生手続きを申請した第一中央汽船以降18カ月連続で発生していない。
京商工リサーチによると、これまでの連続ゼロ期間の最長はバブル期の86年9月―91年7月までの59カ月連続。3月に発生がなかったことが確定した場合、79年3月―80年7月までの17カ月連続、13年9月―14年12月と81年5月―82年8月までの16カ月連続を抜いて過去2番目に長い期間となる。
東京商工リサーチは過去の連続記録はいずれも景気拡大期に目立つが、今回は円安で輸出企業の業績が持ち直したほか、株式や債券市場の安定も好影響を及ぼしていると分析した。
帝国データも、日銀の異次元緩和の継続などによる円安・株高の影響で企業業績が改善しているうえ、官民リスクマネーの充実、私的整理の浸透などが寄与したものとみられるとした。
東京商工リサーチは2016年に倒産した企業のうち、業歴30年以上の老舗企業は32・2%だったとする調査結果をまとめた。過去20年間で最高だった15年に比べて0・1ポイント低かったが、11年以降、6年連続で30%以上を記録。代表者の高齢化や後継者難など事業承継の問題が続いている。
16年の倒産件数8446件のうち、業歴が判明した7457件を対象とした。業歴10年未満の新興企業の割合は前年比0・5ポイント低い22・4%。老舗企業と新興企業の構成比の差が拡大している。
一方、16年の倒産企業の平均寿命は前年並みの24・1年だった。中小企業等金融円滑化法が13年に終了後も資金繰り緩和策が続いた影響で、倒産件数は8年連続で前年を下回っている。このため、倒産企業の平均寿命も10年からの6年間で1・7年伸びた。
産業別の倒産企業の平均寿命は、主要10産業のうち7産業で前年より延びた。平均寿命が最も高かったのは製造業の32・1年。次いで卸売業の27・3年、運輸業の25・2年。最も短命だったのは金融・保険業の14・4年だった。
16年の倒産企業のうち、老舗企業の産業別構成比で最も多かったのは製造業の51・6%と、半数を占めた。以下、卸売業の39・4%、農・林・漁・鉱業の36・6%。製造業は設備投資負担や人件費などのコスト高、事業承継問題に加え、為替変動や海外進出など、経済のグローバル化に対応できなかった老舗企業が多いという。
京商工リサーチによると、これまでの連続ゼロ期間の最長はバブル期の86年9月―91年7月までの59カ月連続。3月に発生がなかったことが確定した場合、79年3月―80年7月までの17カ月連続、13年9月―14年12月と81年5月―82年8月までの16カ月連続を抜いて過去2番目に長い期間となる。
東京商工リサーチは過去の連続記録はいずれも景気拡大期に目立つが、今回は円安で輸出企業の業績が持ち直したほか、株式や債券市場の安定も好影響を及ぼしていると分析した。
帝国データも、日銀の異次元緩和の継続などによる円安・株高の影響で企業業績が改善しているうえ、官民リスクマネーの充実、私的整理の浸透などが寄与したものとみられるとした。
日刊工業新聞2017年4月4日
昨年の老舗倒産、6年連続で3割超
東京商工リサーチは2016年に倒産した企業のうち、業歴30年以上の老舗企業は32・2%だったとする調査結果をまとめた。過去20年間で最高だった15年に比べて0・1ポイント低かったが、11年以降、6年連続で30%以上を記録。代表者の高齢化や後継者難など事業承継の問題が続いている。
16年の倒産件数8446件のうち、業歴が判明した7457件を対象とした。業歴10年未満の新興企業の割合は前年比0・5ポイント低い22・4%。老舗企業と新興企業の構成比の差が拡大している。
一方、16年の倒産企業の平均寿命は前年並みの24・1年だった。中小企業等金融円滑化法が13年に終了後も資金繰り緩和策が続いた影響で、倒産件数は8年連続で前年を下回っている。このため、倒産企業の平均寿命も10年からの6年間で1・7年伸びた。
産業別の倒産企業の平均寿命は、主要10産業のうち7産業で前年より延びた。平均寿命が最も高かったのは製造業の32・1年。次いで卸売業の27・3年、運輸業の25・2年。最も短命だったのは金融・保険業の14・4年だった。
16年の倒産企業のうち、老舗企業の産業別構成比で最も多かったのは製造業の51・6%と、半数を占めた。以下、卸売業の39・4%、農・林・漁・鉱業の36・6%。製造業は設備投資負担や人件費などのコスト高、事業承継問題に加え、為替変動や海外進出など、経済のグローバル化に対応できなかった老舗企業が多いという。
日刊工業新聞2017年3月15日