ブロックチェーンが地方創生に一役!スタンプラリーや有機野菜でデータ有効活用

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富士通は千葉市でスタンプラリーの実験をスタート
 売買や事務の記録をネットワーク上に分散して保存し、安全に管理・共有できるブロックチェーン(分散型台帳)技術が地方創生に一役買っている。富士通は千葉市などと連携し、ブロックチェーンを活用した地域スタンプラリーを始めた。電通国際情報サービス(ISID)は宮崎県綾町と連携し、有機農産物の品質をブロックチェーンで保証する実証実験を推進する。ブロックチェーンは低コストで安全な社会インフラとして機能するのか、両社の取り組みを追った。

スタンプラリーで参加者の行動データ分析


 富士通は千葉市、千葉銀行、千葉都市モノレール(千葉市稲毛区)と連携して、千葉市中央区の千葉銀座通りを中心に地域スタンプラリーの実証実験を始めた。近年、千葉県が舞台のライトノベル「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」がアジア圏で人気が高まっている。この小説を題材に約3カ月にわたってスタンプラリーを行い、訪日外国人らを呼び込む。

 この活動の中で、富士通はスタンプラリーで得た参加者のデータから行動を分析する。分析したデータは個人を特定できないように加工した状態で、地域の金融機関や地場企業、自治体に提供する。「新商品の開発に生かしたり、地域の周遊経路を最適化したりすることで、地方創生に役立てる」(同社)という。

 ブロックチェーンはネットワークに接続された複数のコンピューターが取引記録などを共有し、相互に認証する仕組み。特定の管理者や中央の管理サーバーが不要なほか、改ざんや攻撃に強い。今回は技術支援でカレンシーポート(東京都千代田区)とヤマップ(福岡市博多区)も参加した。

有機野菜にIDを付与


 一方、ISIDは3月、アークヒルズ(東京都港区)で開催された朝市「ヒルズマルシェ」に、宮崎県綾町が生産した有機野菜を出店した。地方創生を後押しする実証実験の一環で、綾町は有機農法で生産した農産物の詳細な生産管理記録をブロックチェーンに保存。出荷した農産品には認定マークとともに固有IDを付与した。

 朝市への出店では、有機野菜の一つひとつを鮮度保持フィルムで包装し、タグ付の2次元バーコードを付けた。スマートフォンをかざすだけで、その野菜がどのような土壌で育ち、いつ作付けが行われたかなど生産工程を確認できるようにした。
 
スマホをかざすだけで、その野菜の土壌や作付けを確認できる

 ブロックチェーンの技術は国内ベンチャーのシビラ(大阪市西区)とエストニアのガードタイムの二つを併用。国内だけでなくエストニアでも記録することで、データの信頼性を徹底している。「ブロックチェーンを農業に活用し、かつ国内外で記録して信頼性を二重化した取り組みは初めて」(ISID)。

 今回の出店によって、ブロックチェーンを活用した地方創生支援プロジェクトの将来像が見えてきた。これをひな型に全国展開を目指す。
(文=編集委員・斎藤実)

日刊工業新聞2017年4月3日

COMMENT

昆梓紗
デジタルメディア局DX編集部
記者

スタンプラリーは盛んにいろいろな路線や場所で行われていますが、いまだに紙ベースのものが多い印象。ユーザー情報や行動までデータ化できれば、商業施設などでのマーケティングにも役立ちそうです。

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