実証続くブロックチェーン。来年にはユニークな事例が生まれるか

国内でもメガバンクからITベンチャーまで

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 ITの新潮流として注目されるブロックチェーン(分散型台帳)技術の実用化が近づいている。この1年で金融機関を中心に実証実験が相次ぎ、IT企業との連携も進展して話題を集めた。ブロックチェーンの用途は金融取引に限らず、物流の追跡システムなど産業分野への展開も有望視される。2017年はユニークな事例が続々と登場しそうだ。

 ブロックチェーンは売り・買いなどの取引履歴を暗号化しながら、複数のコンピューターにブロック単位で分散させてやりとりする仕組み。取引履歴がチェーンのように時系列でつながり記録されるため、ブロックチェーンと呼ばれている。

 実用化で先陣を切るのは海外の金融機関。ビットコインが有名だが、債券取引や保険商品の管理など、金融業の本丸でも活用が始まっている。これを受け、国内でもメガバンクなどの金融機関による実証実験が活発化している。

 IT企業は技術パートナーとして、実証実験に参加。日本IBMや富士通、NEC、野村総合研究所、電通国際情報サービス、日本マイクロソフト、NTTデータなどが名を連ねる。だが現在は水面下での動きが中心。まだ大々的なサービス展開には至っていない。

 大手企業に加えITベンチャーの動きも急展開している。4月にはインフォテリアなどベンチャー30社以上が参加し、業界団体「ブロックチェーン推進協会(BCCC)」が旗揚げされた。海外主導で進む技術の標準化に対し、日本からも情報発信する意向だ。

 一方、ブロックチェーンは住宅や自動車などを個人間で貸し借りするシェアリングエコノミー時代の基盤技術としても注目されている。大化けすると、世の中を変える可能性を秘めている。
(文=斎藤実)
               

日刊工業新聞2016年12月6日

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中核となる基盤技術には課題があり「実用化に向け、どう解決するかが各社の腕の見せどころとなっている」(IT企業)。17年は驚くような展開もありそうだ。 (日刊工業新聞第一産業部・斎藤実)

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