ニュースイッチ

駅長の定年退職に贈るサプライズ企画「THE LAST TRAIN」

終電後の深夜、秋葉原駅にみんなが団結して贈る最後の日
駅長の定年退職に贈るサプライズ企画「THE LAST TRAIN」

THE LAST TRAIN

 東京メトロ内に増えている「デジタルサイレージ」が、この季節らしい映像を流している。

 それは「THE LAST TRAIN」と銘打たれた、駅長の定年退職に合わせて労をねぎらうサプライズ企画だ。

 “働く人の相棒コーヒー”として親しまれているサントリーコーヒー「BOSS」がスポンサーとなり、半年前から企画。企画実施に当たって、「もうこの人以外はない」と、推薦を受けたのが東京メトロ秋葉原駅の石山駅長だった。

 企画決定後、メンバーがスケジュールを調整してこっそりビデオメッセージを撮影。サプライズ当日には休みにも関わらず終電後の深夜、秋葉原駅に皆が集まり、今回の退職サプライズ企画を決行した。

 サプライズされた石山駅長はこう話す。

―深夜、大勢の皆様から祝福され思いもよらぬ花束やプレゼントを沢山頂きどうしたら良いのか戸惑いました。つりあう言葉が見つからなかったです。感無量。感謝、感謝でした。

 このようなサプライズは人生初めてです。今までの会社人生で最高の時でした。
その晩は興奮と感謝で眠れませんでした。普段、駅の事務所で「私は全線で一番幸せな駅長だ!」と口癖のように感謝していましたがそれ以上の幸せを頂戴しました。

本当の幸せは「物や金では無い。人に思われることが幸せ」と強く感じました。「人は宝」ですね。退職後も出会う人を大切にしていきます。―

 銀座・上野・溜池山王などの駅構内デジタルサイネージに、Webムービーのダイジェスト版を4月2日まで放映している。
映像は東京メトロ内のデジタルサイレージにて公開中

 見るとなぜか長く勤めあげた大先輩や家族の人などが思い浮かぶ、この季節らしい心温まる動画だ。

日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
こういう話を聞くと、どうしても「同じ駅長(かまたはそれに近いポジション)」で地味に真面目に仕事をしていた(けれども注目されない)別の引退する人の心理を慮ってしまう片隅人生です。

編集部のおすすめ