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“価格”は敏感に。セブンは値下げ、ローソンは地域別に差

セブン―イレブンは4月から日用品61品目が対象
 セブン―イレブン・ジャパン(SEJ)は29日、ナショナルブランドの日用雑貨(写真)計61品目を、4月19日から値下げして販売すると発表した。買い回り頻度が高い洗濯洗剤やオーラル用品などの価格を現状から4−64円引き下げる。コンビニエンスストアがスーパーマーケットやドラッグストアとの競争を意識し、価格戦略を見直す動きが目立ってきた。

 ニーズが高い22品目も新たに投入する。コンビニは定価販売が中心。日用品は急場をしのぐために小容量品を購入する消費者が多かった。

 SEJでは従来場所を置いていなかった12ロール入りのトイレットペーパーをテスト販売したところ好調だった。このため日用品の品ぞろえを強化し、高齢者や主婦層の日常使いのニーズを取り込む。

 業界ではローソンが価格が重視される傾向が強い飲料や調味料などを「キーバリューアイテム」と位置付け、地域別に価格を設定している。

日刊工業新聞2017年3月30日



ローソン、9000店で90品目


 ローソンは飲料や洗剤など約90品目について、地域別価格を導入する。店舗周辺にあるスーパーやドラッグストアの価格と対抗できる価格を、地域ごとに設定する。価格に敏感な主婦層の購買に結びつける。6月末までに全店舗数の75%に当たる9000店で導入する。

 これまでコンビニエンスストアは大半が定価販売だった。ローソンは新価格体系で、スーパーやドラッグストアに対抗する。

 飲料や調味料、洗剤など約90品目を「キーバリューアイテム(KVI)」に定め、地域ごとに異なる価格を設定する。現在ある約1万2000店のうち、オフィスビル内などを除く9000店で導入する計画だ。

 KVIの価格は各店舗の近くにあるスーパーやドラッグストアなどの販売価格と、ほぼ同価格とする。地域ごとの販売価格を、本部で分析して設定する。特売価格は比較対象にしない。状況を見て、KVIの品目数を今後増やす。

 従来はコンビニで買う人が少なかったシャンプーの詰め替えパックなども販売を始める。店舗で扱う全品目数は従来比1割増の3500に増える見通し。品目増に対応するため、6月末までに各店の商品棚を約15センチメートル高くする。

 共働き世帯や単身世帯の増加、小売業界の競争激化を背景にコンビニに求められる役割が変化している。同社は緊急時だけでなく、日常の需要をつかめる店舗づくりを進めている。

日刊工業新聞2016年6月6日

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
確かに食品に比べ日用品は差別化できてないのに割高感ありましたね。今後はより地域別戦略が各社で進むでしょう。

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